[P84-3] 急性呼吸不全チェックシートの活用に関する看護師の意識調査と課題
1.背景 ICU入室患者の約10%に発症し、そのうち院内死亡率が約40%と高値であるARDS(LUNG-SAFEより)。低用量換気・高PEEP・腹臥位療法等呼吸管理法が確立されている一方、ARDSという病態理解が難しく治療内容の把握が不十分では質の高い処置は提供できない。そのため看護師が統一した知識や目的を持ち、できるだけ効率的な看護や処置の提供、異常の早期発見・医師への迅速な報告ができるようにと急性呼吸不全チェックシート(以後チェックシート)の作成へとたどりついた。2.研究目的 急性呼吸不全の増悪は早く、より迅速で効率的な対応が求められる。運用開始後約1年が経過した現在、看護師の中でARDSの病態や管理法の理解、またチェック自体の認識度を確認し、改善策を明らかにし患者へより質の高い処置の提供が出来るようにするため。3.研究方法 急性呼吸不全チェックシートを使用している当該病棟の看護師のうち、研究目的及び趣旨を理解し自由意志で研究協力へ同意が得られた者へのアンケート調査。4.結果 60名にアンケート調査を行い、48名から回答が得られた。病態や治療の理解度が上昇しているという回答が多数得られ、また呼吸器疾患や人工呼吸器の意識変化があったとの回答もあり、チェックシート運用にあったての効果はあった。しかし、一部スタッフで未だ理解が不十分であるということもわかった。5.結論 患者へより質の高い処置が行えるように、勉強会等治療に関わるために必要な知識の提供が出来る場を定期的に設けてスタッフ全員が同じ意識・目的を持てるよう取り組んでいきたい。