[P90-2] 米国からの旅行中、急性心筋梗塞のためCABGが施行され、ICU-AWを呈した一症例
【背景】米国在住、妻の実家佐世保への帰省に伴い観光で来日した。米国では高血圧症、糖尿病、狭心症にて内科クリニックで治療されているが、旅行の許可を得て来日した。日本語はほとんど話せない。来日中、胸痛、呼吸苦が出現したため救急要請し、当院へ緊急入院した。【臨床経過】米国白人、71歳男性、身長182cm、体重99.0kg 呼吸苦がありNPPV装着し、循環動態不良に対しIABP挿入後、心臓カテーテル検査で、重度冠動脈3枝病変あり、呼吸状態悪化し気管挿管による人工呼吸器管理となった。2日後、冠動脈3枝バイパス術施行された。術後腎機能低下ありCHDFが施行された。人工呼吸器離脱は遅延したが、術後15日後抜管され、その後ICUでリハビリテーション開始となった。リハビリテーション開始時RASS-1、四肢浮腫著明、四肢運動性低下しMRC score 24点であり、ICU-AWを合併していると思われた。術後21日一般病棟へ転棟 座位も不十分な状態であり、せん妄も残存していたが、術後26日後よりリハビリをリハビリテーション室で行うこととなった。 当初の目標として、車いすで帰国することをチームであげていたが、妻の希望により歩行可能となるまで日本で治療を継続したいとの申し出があり、目標を歩行獲得と変更とした。何とか杖歩行獲得まで至り、術後78日に無事に帰国することができた。【結論】歩行獲得し飛行機に搭乗できることを目標にリハビリをすすめた。経過の中で目標を獲得できるかどうか不透明な部分もあったが、何とか目標に到達し帰国することができた。また臨床経過のみならず、コミュニケーションの問題、医療費の問題、帰国の手順等様々な問題があったが、多職種で協力連携し解決することができた。