第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

医療事故訴訟・医療安全

[P92] 一般演題・ポスター92
医療事故訴訟・医療安全01

Sun. Mar 3, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場10 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:新津 健裕(埼玉県立小児医療センター集中治療科)

[P92-1] 遠心ポンプSL45Xでの血栓形成を原因とした溶血を疑う一例

柏原 裕章1, 西山 礼花1, 関本 貴紀1, 四宮 亮一1, 天雲 史浩1, 吉田 千尋2, 三崎 伯幸2, 塚崎 佑貴3, 河野 洋二3, 岸本 伸人3 (1.高松市立みんなの病院 臨床工学科, 2.高松市立みんなの病院 呼吸器外科, 3.高松市立みんなの病院 呼吸器内科)

はじめに重症呼吸不全に対し、lung restを目的とした呼吸補助としてV-V ECMO(veno venous extracorporeal membrane oxygenation)が成人でも有効であるとされている。今回、TERUMO社製遠心ポンプSL45Xにおいて遠心ポンプ内に発生した血栓が原因となり溶血をきたしたと疑われる症例を経験したので報告する。症例85歳 男性 薬剤性肺障害 Murray Score:3.0点 APACHE2 Score:18点  経過V-V ECMO導入の3日目にDダイマー、SFMC(soluble fibrin monomer complex)が急激に上昇した。さらにその2日後にはLDHが上昇しHbが低下したため、血栓形成による溶血も疑われたが患者要因と考え回路交換は行わなかった。その後も溶血は治まらずECMO導入7日目に回路交換を行うと遠心ポンプ背面軸受部に直径25mmの血栓を確認した。考察当院では過去のデータの解析をもとにLDHの上昇を回路交換の目安の一つとしていた。しかし遠心ポンプSL45Xは以前の遠心ポンプSP45Xに比べ軸部分が改良されており、過去の使用でも溶血の原因となるような血栓発生は無かった。そのため溶血の原因は他にあるのではと回路交換をためらった。結語Dダイマー、SFMC、LDHが上昇した時点で溶血の原因は遠心ポンプであると特定し、回路交換を行うべきであった。