[PD12-7] PICS対策:重症疾患後の認知機能障害に対する対策と展望
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【はじめに】集中治療領域においてPost Intensive Care Syndrome(PICS)に対する介入が,国内外問わず盛んに報告されている.しかし,PICSの一角をなす認知機能障害に対して,リハビリテーション(以下,リハ)における具体的な方策は示されていない.その為,各病院や施設において重症疾患患者の認知機能に対する評価や治療を模索している段階であり,認知機能障害を軽減・予防する対策を立てることが喫緊の課題である.
【当院の概要】当院ではICU生存患者のPICSを予防・軽減するため,早期のADL改善をコンセプトとしてリハを実践している.当院のICUはSemi-Close ICU(6床)管理であることから多職種と連携がとりやすく,医師,看護師,理学療法士と作業療法士で構成されたICUリハチームで,きめ細やかなチーム医療を実施していることが特徴である.そして,ADLを早期より獲得するため2015年よりリハプロトコールを導入し,2016年からは理学療法士の専任制を導入した結果,ICU退室時に良好な身体機能とADLを獲得することができている.
【認知機能障害に対する取り組み】当院はICU滞在中のせん妄のモニタリングとせん妄誘発因子の対策を実施しており,重症疾患後の認知機能障害に対しては,作業療法士がICU滞在中から退院まで一貫して認知機能のフォローアップとしている.2015年1月~2018年8月に当院ICUに入室し,ICU退室時に認知機能評価(MMSE)が実施できた患者(148例)では,ICUに予定入室した外科症例において,術後に認知機能が低下(術前値より2点以上低下したことを認知機能低下と定義)した者は35%存在していた.また緊急でICUに入室した症例かつICU入室前に明らかな認知機能低下を示す例を除外した集団において,ICU退室後に認知機能低下(MMSE23点以下を認知機能低下と定義)を示した者は39%に認められた.
このようにICU退室後30~40%程度の患者が認知機能低下を示しており,院内生活に続く退院後の生活を支援できるよう一般病棟でもリハを継続している.一般的に認知機能障害に対するリハ介入は,1.認知機能低下を予防する介入,2.低下した認知機能を改善させる介入,3.低下した認知機能を代償する介入があり,当院ではこの3つの視点に立って作業療法士が個別で対応策を模索している段階である.今回のパネルティスカッションでは,当院で実践している認知機能障害に対するリハと今後のリハ介入の展望に着目して報告する.
【当院の概要】当院ではICU生存患者のPICSを予防・軽減するため,早期のADL改善をコンセプトとしてリハを実践している.当院のICUはSemi-Close ICU(6床)管理であることから多職種と連携がとりやすく,医師,看護師,理学療法士と作業療法士で構成されたICUリハチームで,きめ細やかなチーム医療を実施していることが特徴である.そして,ADLを早期より獲得するため2015年よりリハプロトコールを導入し,2016年からは理学療法士の専任制を導入した結果,ICU退室時に良好な身体機能とADLを獲得することができている.
【認知機能障害に対する取り組み】当院はICU滞在中のせん妄のモニタリングとせん妄誘発因子の対策を実施しており,重症疾患後の認知機能障害に対しては,作業療法士がICU滞在中から退院まで一貫して認知機能のフォローアップとしている.2015年1月~2018年8月に当院ICUに入室し,ICU退室時に認知機能評価(MMSE)が実施できた患者(148例)では,ICUに予定入室した外科症例において,術後に認知機能が低下(術前値より2点以上低下したことを認知機能低下と定義)した者は35%存在していた.また緊急でICUに入室した症例かつICU入室前に明らかな認知機能低下を示す例を除外した集団において,ICU退室後に認知機能低下(MMSE23点以下を認知機能低下と定義)を示した者は39%に認められた.
このようにICU退室後30~40%程度の患者が認知機能低下を示しており,院内生活に続く退院後の生活を支援できるよう一般病棟でもリハを継続している.一般的に認知機能障害に対するリハ介入は,1.認知機能低下を予防する介入,2.低下した認知機能を改善させる介入,3.低下した認知機能を代償する介入があり,当院ではこの3つの視点に立って作業療法士が個別で対応策を模索している段階である.今回のパネルティスカッションでは,当院で実践している認知機能障害に対するリハと今後のリハ介入の展望に着目して報告する.