第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

パネルディスカッション

[PD18] パネルディスカッション18
集中治療領域における栄養と看護

2019年3月3日(日) 14:00 〜 15:30 第7会場 (国立京都国際会館1F Room E)

座長:小谷 穣治(国立大学法人 神戸大学大学院医学系研究科 災害・救急医学), 清水 孝宏(地方独立行政法人那覇市立病院看護部)

[PD18-2] 重症患者における栄養療法 ~看護的CQ~

清水 孝宏 (那覇市立病院 看護部)

重症患者はさまざまな侵襲の影響により消化管の蠕動運動が低下する。これは侵襲により交感神経系の過緊張、侵襲ホルモンの分泌亢進などが影響している。さらに鎮静・鎮痛剤の使用や治療に伴う安静や不動なども消化管の蠕動運動を低下させる。このような状況でも経腸栄養を優先しておこなうのは感染性合併症の予防や回復時期に向けた良い消化管のコンディションを作るためである。経腸栄養をおこなう患者の多くが意思の疎通が困難で、どれぐらい食べたいのか、あるいは食べたくないのかを知ることは困難である。それでも経腸栄養を開始するため嘔吐しないように、誤嚥しないように、排便がスムーズに行われるように注意しなければならない。これら消化管の観察やコンディションを整える中心的役割が看護師となる。例えば誤嚥しにくい体位に整えることや、嘔吐や下痢を起こしにくい持続投与で管理すること、蠕動を促進させる薬剤の使用など工夫はいろいろある。重症患者のなかには消化管が使用できない患者もいる。このような患者には静脈栄養が選択される。静脈栄養ではカテーテル感染の予防が重要となる。集中治療領域における栄養ガイドラインの看護的なClinical Question (CQ)とAnswerについては患者管理としてガイドラインにまとめられている。その一部で重要な項目について解説する。