第46回日本集中治療医学会学術集会

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パネルディスカッション

[PD2] パネルディスカッション2
各領域研修において集中治療は織り込まれているか?

Fri. Mar 1, 2019 9:40 AM - 11:40 AM 第3会場 (国立京都国際会館1F アネックスホール1)

座長:福井 道彦(音羽病院集中治療部), 松田 兼一(山梨大学医学部救急集中治療医学講座)

[PD2-4] 小児科専門研修プログラムにおける小児科専攻医のPICU研修の意義ーローテーション修了後のアンケートからー

菅 健敬, 花田 知也, 河内 晋平, 山上 雄司, 加藤 隆宏, 高原 賢守 (兵庫県立尼崎総合医療センター 小児救急集中治療科)

【背景】当院は小児人口約25万人の阪神南北医療圏における小児中核病院であり、総合周産期母子医療センターおよび小児救命救急センターの指定も受けている。今年度から開始した小児科専門研修プログラムにおいては基幹研修施設であり、各年次8名の小児科専攻医が専門研修を行う。そのほとんどは小児集中治療をサブスペシャリティとして希望するものではないが、当院ではPICU研修を基本的に必修としており、これまで15名の小児科専攻医に対し4ヶ月ないし6ヶ月間のローテーションを実施してきた。【目的】小児集中治療をサブスペシャリティとして希望していない小児科専攻医がPICU研修を行うことの意義と問題点をローテーション修了者に対するアンケートから抽出する。【方法】電子メールによりアンケートを配布した。回答は無記名とし、医局秘書宛に返信することにより調査者には回答者が特定できないようにした。【結果】15名中13名より回答を得た(回収率87%)。多くがPICU研修に対して気管挿管および人工呼吸管理および急変対応の修得を期待していた。そして12名(92%)がPICU研修が現在の臨床に役立っていると回答した。また、13名全員が集中治療管理に面白さを感じたと回答した。スタッフ医師とのペアでの受け持ちおよび当直体制に対しては多くが適切であったと回答した。一方で6名(46%)が身体的なストレスを感じ、8名(61%)が月8回程度の当直をやや多いと感じていた。9名(69%)が精神的なストレスを感じており、生命の危機に瀕した患者および家族と接することにストレスを感じていた。また、自由回答でスタッフによって治療方針に違いが生じることにもストレスを感じたとした。研修期間については3-4ヶ月と5-6ヶ月が適切とする意見が大半であり、ローテーションは小児科一般をある程度取得してからが良いとされた。10名(76%)が今後もPICU研修を基本的に必修とすべきと回答した。【結論】PICUを経験した小児科専攻医のほとんどが一般小児科診療では得られない経験を得たとし、小児科専門研修においてPICU研修は必要であるとした。一方で集中治療室特有の身体面および精神面でのストレスも感じており、今後の改善が必要である。