[SP5-1] 病室にアミューズメント?快適環境プロジェクト
【EMC Effective Medical Creation 奈良医大の試み】
【 オンデマンド配信】
昭和43年10月13日生まれ 京都出身
(誕生日の10月13日は日本麻酔科学会が制定する麻酔の日です)
昭和62年3月私立花園高等学校卒業
平成5年3月奈良県立医科大学卒業
平成5年4月奈良県立医科大学麻酔科学教室入局
平成7年8月財団法人大阪脳神経外科病院麻酔科医員
平成8年4月国立循環器病センター麻酔科レジデント
平成9年7月奈良県立医科大学麻酔科学教室助手
平成13年7月カルフォルニア大学サンディエゴ校麻酔科リサーチフェロー
平成15年7月奈良県立医科大学麻酔科学教室助手
平成16年4月奈良県立医科大学集中治療部学内講師
平成17年4月奈良県立医科大学麻酔科学教室講師
平成25年1月奈良県立医科大学集中治療部准教授
平成28年4月奈良県立医科大学集中治療部病院教授現在に至る
京都の右京区で高校まで過ごしその後大学進学のため奈良県橿原市移り現在は桜井市に在住。地方公立大学病院の慢性的な人員不足の中細々と麻酔カラーの集中治療に従事している。マンパワーに頼らない何かで効率よく業務出来ないかと模索しているうちにEMCと出会う。EMCに奈良医大らしさを加味することで業務の効率化による患者予後への効果を検討している。
EMCとはICUにおいて最大限に効率よく、かつ効果的にマネイジメントするチーム医療を実現するため、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)と相感を連動して働きかけることで、患者・家族・医療従事者の誰もが快適と思えるICUの空間づくり、Art of Medicineをテーマとするものである。既存の医療現場のイメージにとらわれない環境を提供し五感に働きかけることをかかげ、2016年から奈良医大集中治療部でも開始した。五感には快不快があり、生命原理的には快には接近、不快には回避・逃避行動をとる。本能的に不快には生命を脅かすものがあるため回避・逃避行動をとると考えられる。ICUに目を向けると不快な環境や刺激に晒される場合が多い。多くの患者はベッドにつながれているため回避・逃避は不可能である。快不快の原理から考え生存確率を下げる状況から逃れられない状態にあると考えられる。回避できない不快を相殺するには生存確率を上げる快を与えることがオプションとして考えられる。ここにEMCの五感に働きかける介入を効果的に利用できないかと検討している。しかしながら五感の快不快に関しては個人差が大きいので注意が必要であると考えている。また、この五感に働きかけるEMCはICUで働いているスタッフにも影響があると考えられる。快適な環境で働くことによりスタッフ間のコミュニケーションは改善されより良いチーム医療が提供できる可能性がある。この全体的なEMCを実践するためには、既存の病院の概念を超えたデザインやアートの力が必要である。現在奈良医大でも未完成ながらEMCの概念を取り入れ病室を改装し患者管理、職場環境改善に取り組んでいる。今回のシンポジウムでは、五感の一般的な解説と現在奈良医大で行われているEMC、また、EMCによる患者への影響を提示しEMCの紹介を行いたいと考えている。