[SY1-3] ICUにおける人工呼吸患者への早期リハビリテーションが退院時歩行自立に及ぼす因子:多施設後向き研究
【 同時通訳付き】
【背景】歩行自立は患者の自宅復帰に関連する主要因であるが、退院時の歩行自立に影響する因子について十分に検討されていない。
【目的】本研究の目的は、共通したEarly mobilization (EM) プロトコルを用いている施設が共同し、標準的なEMが提供されている中で退院時の歩行自立に及ぼす因子を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は、日本の8つのICUに入室した患者とした。この8つの施設は、5つのレベルからなる共通のEMプロトコルに準じた介入を行っている。調査期間は2017年1月から2018年までの3月とした。対象患者の、年齢等の基本属性、ICU滞在日数やICU入室中のEMの情報やせん妄、ICU退室時のMedical Research Council (MRC) sum-score、退院時の歩行自立度について後方視的に調査した。各項目の連続変数および順序変数の群間比較は Mann-Whitney 検定を用い、名義変数の群間比較はχ2検定および歩行自立を従属変数としたCOX比例ハザード回帰分析で検討した。
【結果】研究期間中、ICUに入室した6597例のうち1803例の患者が包含基準を満たし、除外基準を満たした症例を除いた221例の患者を解析対象症例とした。歩行自立群は101名、歩行非自立群は120名であった。自立群は、非自立群と比較して、年齢(P<.0001)、人工呼吸管理日数(P<.0001)、ICU 滞在日数(P<.0001)、MRC score 48点未満(P<.0001)に有意差を認めた。離床までの日数などのリハビリテーションの実施状況、有害事象の発生割合には有意差を認めなかった。多変量解析にて、退院時の歩行自立に影響する要因として年齢、ICU滞在日数、MRC score 48 点未満が抽出された。
【結論】本研究より、EMプロトコルを適応していても発生したICU-AWが退院時歩行自立と関連していることが示唆された。ICU-AWを予防するために、EMプロトコル単独でのアプローチでなく、鎮静プロトコルを含む包括的管理の必要性が示唆された。
【目的】本研究の目的は、共通したEarly mobilization (EM) プロトコルを用いている施設が共同し、標準的なEMが提供されている中で退院時の歩行自立に及ぼす因子を明らかにすることを目的とした。
【方法】対象は、日本の8つのICUに入室した患者とした。この8つの施設は、5つのレベルからなる共通のEMプロトコルに準じた介入を行っている。調査期間は2017年1月から2018年までの3月とした。対象患者の、年齢等の基本属性、ICU滞在日数やICU入室中のEMの情報やせん妄、ICU退室時のMedical Research Council (MRC) sum-score、退院時の歩行自立度について後方視的に調査した。各項目の連続変数および順序変数の群間比較は Mann-Whitney 検定を用い、名義変数の群間比較はχ2検定および歩行自立を従属変数としたCOX比例ハザード回帰分析で検討した。
【結果】研究期間中、ICUに入室した6597例のうち1803例の患者が包含基準を満たし、除外基準を満たした症例を除いた221例の患者を解析対象症例とした。歩行自立群は101名、歩行非自立群は120名であった。自立群は、非自立群と比較して、年齢(P<.0001)、人工呼吸管理日数(P<.0001)、ICU 滞在日数(P<.0001)、MRC score 48点未満(P<.0001)に有意差を認めた。離床までの日数などのリハビリテーションの実施状況、有害事象の発生割合には有意差を認めなかった。多変量解析にて、退院時の歩行自立に影響する要因として年齢、ICU滞在日数、MRC score 48 点未満が抽出された。
【結論】本研究より、EMプロトコルを適応していても発生したICU-AWが退院時歩行自立と関連していることが示唆された。ICU-AWを予防するために、EMプロトコル単独でのアプローチでなく、鎮静プロトコルを含む包括的管理の必要性が示唆された。