[SY21-5] 心停止蘇生後患者のaEEG所見による層別化:長期予後の検討
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【背景】心停止蘇生後におけるaEEGの予後予測の有用性が報告されている。我々は心停止蘇生後にaEEGをモニタリングし、continuous normal voltage (CNV)への回復時間とBurst suppressionの有無を用いた層別化を行うことで、退院時の神経学的予後を予測しうることを報告した(Critical Care.2018;20:226)。今回、この患者群に関し心停止1年後の長期予後を検討した。【方法】対象は2013年1月から2017年4月に当院救命センターで加療した心原性院外心停止蘇生後患者で、体温管理を行われaEEGをモニタリングされた61症例。aEEG所見で心停止後12時間以内にCNVに至ったものをCategory1(C1)、12-36時間にCNVに至ったものをC2、36時間内にCNVに至らなかったものをC3、経過中にBurst suppressionを呈したものをC4とし、各群の心停止1年後の神経学的予後を検討した。神経学的予後の評価はCPCを用い、CPC1,2を神経学的予後良好とした。【結果】61例のうち60例が追跡可能であり、年齢の中央値60歳、41例(68%)が初期波形shockable rhythm、aEEG装着までは中央値5時間、aEEGのモニタリング時間は中央値53時間であった。このうち33例(55%)が生存し27例(45%)が神経学的予後良好であった。各群の神経学的予後良好例はC1 18/19例(95%) 、C2 8/14例(57%)、C3 1/10例(10%)、C4 0/14例、分類不能 0/3例であった。【考察・結語】aEEG所見を用いた患者の層別化は長期予後予測においても有用であり、患者に応じた蘇生後治療の選択の一助となりうる。C1は神経学的予後良好であり、高度な侵襲的治療も適応とすべきである。またTTM時間の短縮など蘇生後ケアの簡略化も可能かもしれない。C3,C4は神経学的予後不良群であるが、C3の一例は遅れて回復を認めておりwithdrawalには慎重を要する。C2の予後はボーダーラインであり蘇生後のケアとしては痙攣重積の管理など最も重点を置くべき群と思われる。