第46回日本集中治療医学会学術集会

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シンポジウム

[SY22] シンポジウム22
補助循環の安全管理・最前線

Sun. Mar 3, 2019 8:45 AM - 10:45 AM 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:竹田 晋浩(かわぐち心臓呼吸器病院), 八木 克史(京都府立医科大学附属病院 臨床工学技術課)

[SY22-2] 人工呼吸器とV-V ECMO:呼吸ECMO中の安全管理策と人工呼吸器関連合併症についての自施設調査報告

小倉 崇以, 鈴木 裕之, 藤塚 健次, 中村 光伸 (前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科・救急科)

ライブ配信】

【背景】呼吸ECMOの歴史は、ECMO関連合併症克服の歴史と言っても過言ではない。呼吸ECMOの代表的な合併症としては、1.出血、2.カニューレ挿入時の臓器&血管損傷、3.感染症、4.空気塞栓症、5.血栓症、6.溶血、などが挙がる。しかしそれら以外にも、ECMO管理中ではConventionalな人工呼吸器による呼吸不全管理の場合では通常経験しないような合併症や、その予防のために安全管理策を施すことがある。本研究は、呼吸ECMO中の人工呼吸器関連合併症、その安全管理策について調査し、報告することを目的とする【方法】後方視的観察研究。2013年4月から2018年3月の間に、当院ICUにて呼吸ECMO管理を行った症例について、呼吸ECMO中の安全管理策と発生した人工呼吸器関連合併症について調査した。【結果】観察期間における呼吸ECMO患者は59例、生存退院率は75%であった。呼吸ECMO中は安全管理策として、1.リクルートメント回避、2.Keep Open目的のHigh PEEP回避、3.胸腔ドレナージ回避、4.気管切開は外科的に一本化、4.気管支鏡検査時の筋弛緩薬使用、などの工夫がみられた。ECMO管理中の人工呼吸器関連合併症としては、1.気管支鏡検査時の咳嗽による気胸、2.気管支鏡検査時の気動出血、3.緊急脱気時の血胸、などが観察された。【結論】ECMOは抗凝固療法を必須とする治療であることに加え、重症呼吸不全患者の肺は極めて脆弱であるため、特殊な安全管理策と合併症対策が必要である。