[SY22-3] ECMOの安全管理
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【背景】補助循環には、IABPやECMO、体外式VAD、体内植え込み式VADなど様々な手段があり症例に合わせ選択されている。また、最近では補助循環用ポンプカテーテルも臨床使用されるようになり、選択肢もさらに広くなっている。これら補助循環を実施するには、医師のみではなく看護師、臨床工学技士、理学療法士、栄養士などの他職種により患者状態、使用している補助循環装置の評価、装置の基本的な知識など共有することがより安全に遂行するためには必要であり、日頃からトレーニングしておくことが重要である。 ECMOには、呼吸補助を目的としたPulmonaryECMO、循環補助を目的としたCardiacECMO、救命救急領域で使用されるECPR(extracorporeal cardiopulmonary resuscitation)などあり、それ以外にも送脱血方法によりV-V ECMOやV-A ECMOなどと分別されることがある。ECMOの方式により管理方法は、異なっており共通した管理は困難であるが使用している装置に関しては、基本的な部分が共通であり、それらに関しては共通した安全管理が可能であると思われる。そして、一般社団法人日本体外循環技術医学会から2016年10月に「補助循環の安全管理基準」の勧告が発信され各施設で独自に作成されていた安全管理に一つの方向性が示された。この基準では、ECMOの特徴的な緊急対応ができること、長期管理ができること、患者移動ができること、他職種間での情報共有などを考慮した患者管理の最低限の勧告である。また、勧告は、装置の構成部品の基準や保管時の管理方法など装置本体の基準のほかに導入時の基準やICUでの管理時の基準、搬送時の基準、離脱時の基準などシチュエーション別に構成されており、これらを元に各施設にあったマニュアルの作成を促している。また、この勧告については2年毎にJaSCET会員が所属している施設に対して装置の構成からインシデント・アクシデントなどのトラブルなども収集しており、これらに基づいて現状に即したものに改定が実施されている。【結語】ECMO遂行には、最適な患者管理を行うため各種モニタリングがなされており、それらを適正に判断することでより安全な管理が可能となる。医師により支持された血液流量、酸素加、抗凝固管理など十分理解して、勧告に基づいた管理を実施しチームで取り組むことが事故を防止しその施設にあった最適な管理方法の実現につながると思われる。