第46回日本集中治療医学会学術集会

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シンポジウム

[SY22] シンポジウム22
補助循環の安全管理・最前線

Sun. Mar 3, 2019 8:45 AM - 10:45 AM 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:竹田 晋浩(かわぐち心臓呼吸器病院), 八木 克史(京都府立医科大学附属病院 臨床工学技術課)

[SY22-8] 小児病院におけるECMOの安全管理

八木 健輔, 赤池 祝昭, 梅津 昭宏, 坂尾 和哉, 宇山 一輝, 蓼沼 沙紀, 渋谷 将大, 村山 俊成, 熊谷 しづか, 吉田 拓司 (東京都立小児総合医療センター 麻酔科 臨床工学技士)

ライブ配信】

東京都多摩地区に位置する当院は、開設より9年が経過し、ECMO症例は100例を超えた。実績としては、年平均13例、ECMO離脱率69%、PICU退室率55%、体重平均値(中央値)10.5(6.4)kg、年齢平均値(中央値)1才1ヶ月(10ヶ月)、稼働日数平均値(中央値)15.3(10.0)日、最大稼働日数56日となっている。シンポジウムでは、当院のECMO管理として、「カニュレーション・血流量・搬送」の3点について示す。
1.カニュレーション
 10kg未満の患児では、内頚動静脈カニュレーションを余儀なくされることが多く、僅かな体位の変化を原因とした脱血・送血不良を度々認める。日々、最適な固定箇所を模索する必要があり、安全管理上の悩みの一つである。また、頸部カニューレ固定を優先する必要があるため、褥瘡が発生しやすい。
2.ECMO血流量
 V-AECMO 100ml/min/kgとして管理した場合、5kgの患児であれば500ml/minの血流量でECMO管理を行う。血流量が少ないことによる問題点としては、低流量領域での流量制御に工夫が必要となってくること、また、回路内血栓ができやすいことがあげられる。現在、血栓を要因とした回路交換の明確な基準は無く、個々の状況に応じて交換を実施しているのが現状である。当院では、回路の観察状況、脱送血圧、SvO2、送気ガス圧、遊離Hb、血液凝固系などのデータを含めた議論を多職種で行っている。
3.ECMO搬送
 当院は多摩地域、近隣各県からの小児ECMOを受け入れており、院外からの受け入れ搬送6件の実績がある。院内搬送を十分安全に施行できる体制が整った後に院外搬送を始めた。当院の搬送システムは患者とECMO装置、モニタリング機器、人工呼吸器、シリンジポンプ等をバックボードで一体化している。体格が小さいことを活かしたシステム構成である。院内、院外搬送共に同様の特注搬送システムを用いており、搬送者のシステムの慣れを促している。
 当院のECMO安全管理を提示すると共に、情報を共有し議論できる場となれば幸いである。