[SY8-5] Rapid Response System(RRS)で対応した患者のCode Statusに関する報告
RRSが患者の生命予後に対する効果は立証されていないが、安全管理に果たす役割も大きく、RRSの導入により不必要な急変対応が減少し(DNARと決定された死亡の割合が増加)、業務の効率化が改善するとの報告も見られる(Crit Care Med 2014; 42:322)。東京医科歯科大学附属病院のRRSはCritical Care Outreach Team(CCOT)が平日全病棟を回診し、起動基準に該当する患者を評価するシステムで運用しているが、対応した患者のうちCode Statusが変更となった患者の特徴を検討したので報告する。対象:2017 3/1-2018 2/28の一年間にCCOTが対応した患者418例。介入:CCOTラウンドで行った評価、予後調査結果:対象となる418名のうち65名の患者「内訳は男性45 女性20、年齢51-94歳:72.6±11.7 (Mean ± SD)」、該当する起動基準(呼吸数26, 血圧17、意識レベル12, 懸念21)でDNAR等Code statusの変更によりFollow Up(F/U)を中止した。, F/U期間は1-21日、3.8±3.1 日(Mean ± SD) 原疾患としては悪性新生物33、間質性肺炎11、重症肺炎4であった。全死亡症例検討会でも特に問題は認められなかった。考察:日本では入院時,予めCode statusの確認は殆ど行われていないと想像される。今回の検討では、Code statusの変更があったハイリスク患者(65/418:16%)は全員Full Codeであり、CCOT未介入であれば、不必要な急変対応が行われていた可能性が高い。Code Statusは平均約3日という短期間で変更されたのは、COOTにより主治医、看護スタッフとの良好なコミュニケーションによるものと考えられる。結語:CCOTによる患者評価はCode statusの決定に有用であり、業務の効率化のみならずコミュニケーションの改善を介し安全管理上も有益と考えられる。