[WS1-1] 2017年の集中治療室における感染管理の特徴
【 ライブ配信】
【はじめに】集中治療室(ICU)における感染管理において,接触感染予防策の徹底は重要な課題である。当教室は,集中治療管理において個室管理では個室前のスペース,また非個室では約70cm幅のブルーラインを引き,そのラインでWHOの推奨する5モーメントに従い,手指衛生を徹底していきた。その一方で,ICU管理において細菌培養検査とアンチバイオグラムの確認を重視し,検出菌,検出部位,および薬剤感受性を追跡してきた。2017年の救急・内科系ICUにおける分離菌を示し,集中治療室における感染管理を討議する。【データ紹介】2017年1月1日~同年12月31日の1年間で検出された菌株を解析し,薬剤感受性をCLSI M100-S26で示す。本期間中,497名に集中治療を行い,106名から計195の菌株を検出した。上位菌種は,Staphylococcus aureus 39株(MSSA 14株,MRSA 25株), Coagulase-negative staphylococci 25株(MS-CNS 1株,MR-CNS 24株),Klebsiella属 19株(K. pneumoniae 16株,K. oxytoca 3株),Escherichia coli 17株,Enterobacter科 17株(E. cloacae 4株,E. aerogenes 7株,E. cloacae complex 6株),Pseudomonas aeruginosa 16株,Enterococcus属 13株(E. faecium 3株,E. faecalis 9株),Streptococcus属 11株(S. pneumoniae 5株,S. agalactiae 2株)だった。検出されたE. coliおよびKlebsiella属に,ESBL産生菌を認めなかった。P. aeruginosaの1株(6%)がMDRP,Enterobacter科の3株(18%)がCREだった。【結語】本ワークショップでは,集中治療管理における接触感染予防策と検出菌の動向を過去のデータより考察し,感染管理のあり方を論じる。