第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部教育

材料部教育

[1] 独自に作成した教育用セット(スターターセット)の有用性について

西川 優子, 丹羽 慶治, 佐藤 塁, 高田 大樹 (ワタキューセイモア㈱業務本部)

【背景と目的】
 滅菌請負現場で働く多くの方々は未経験者であり,業務を適切に実施するためには教育や研修が必須である.教育をおこなう上で実際の鋼製小物等が必要になるが器材は病院資産であり,術野使用から滅菌払出までの時間に制約があり,病院器材での教育が困難な例が多い.そこで,診療行為に影響をおよぼすことなく,新入職員の十分な教育と事故予防,また教育者による指導内容の統一化を目指して,弊社独自で教育専用の鋼製小物セット(スターターセット)を発案作成した.本セットを導入して1年間が経過したことから,当初の目的との相違がないか,使用状況などについてアンケート調査を実施し,有用であるとの確信を得たので報告する.
【セット内容等と配布方法】
バスケットおよびコンテナ,器材は鑷子2種類,剪刀3種類,鉗子3種類,持針器2種類,その他3種類である.他にセットメニュー表,教育用テキスト,セット器材マニュアルである.全国10拠点の支社・支店へ請求数(合計22セット)を配布した.
【結果】
使用状況について25通りの回答がありその内訳は,新人教育38%,採用時説明28%,研修用13%,その他21%あった.また,使用業務(場所)では組立38%,洗浄/組立25%,全般25%,その他12%であった.導入効果として,実際に器材に触れながら払出等などの時間を気にせず学べる,自社所有器材なので安心感がある,器材マニュアルも分かり易くいつでも復習できる,面接時に未経験の方への説明がし易いという意見が多かった.さらに,現場ごとにセット表のアレンジや現場で使用しない器材を追加して間違い探しをおこなうなどの工夫した教育をおこなっていた.今後においてもスターターセットを活用し,新人教育の充実化を図り人材の定着,さらには分解可能な器材などバリエーションを増やし,より適切な滅菌業務をおこなうにあたり必須である職員教育の向上に努めたい.