第95回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

材料部教育

材料部教育

[2] 材料部手術部における相互研修の実施

太田 智美1, 棚橋 正子1, 金澤 悦子1, 竹森 加菜子1, 江島 豊2, 大上 有子3, 佐藤 裕子3 (1.東北大学病院 材料部, 2.東北大学病院 材料部・手術部, 3.東北大学病院 手術部)

【背景・目的】
当院では2018年5月履歴管理にトレーサビリティーを含む材料部支援システム(以下システム)を導入した.その結果,手術部との連携強化や手術器械の中央化による手術部業務支援が図られ,手術看護に専念できる環境が整備された.一方,手術部では看護師が洗浄滅菌に関わることがなくなったことで,滅菌供給業務に関する知識・理解の低下が見られた.また,材料部では取扱う手術器械が増加したことから,材料部職員の手術器械の取扱いに関する学習機会の必要性が高まった.そこで,材料部手術部双方の業務内容を理解し円滑に業務を遂行するために,材料部手術部の相互研修を実施した.
【活動内容】 
相互研修は材料部担当と手術部の材料部係で検討した.対象者は手術部では手術部経験1~2年目看護師29名および手術部副師長・リーダー看護師18名,材料部では職員21名および外部委託業者7名とした.内容は,手術部看護師に対しては材料部業務の一連の流れと洗浄組立滅菌の基礎知識およびシステムの説明と実践,材料部職員に対しては手術部へ入室し手術器械の使用方法の説明と見学をおこなった.時間は1時間,時期は新人看護師が業務に慣れてきた9~12月までの4ヶ月間で実施した.
【成果・考察】
相互研修の実施は,滅菌供給業務に関する知識の獲得や,見学による手術器械の取扱いの理解が図られ,より一層双方の業務内容が理解され円滑に業務が遂行できる.研修を受けたコメントからも手術部看護師からは「材料部の業務がわかったことによりシステムの理解も深まった」,材料部職員からは「器械の使用方法がわかり,洗浄組立時に注意すべき点がわかった」という声が聞かれたことから,相互研修は有効であったといえる.このように日々取扱う手術器械が実際どのように取扱われているかを理解することで,医療安全や感染管理の観点からみた安全で安心な手術器械の提供への意識付けが高まったと思われる.