第95回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

材料部業務管理

材料部業務管理

[10] 多数傷病者発生災害を想定した手術部材料部での防災訓練の取り組み

竹森 加菜子1, 太田 智美1, 金澤 悦子1, 棚橋 正子1, 江島 豊2, 佐藤 裕子3, 田口 道子3, 奥山 祐3, 田頭 聡美3 (1.東北大学病院 材料部, 2.東北大学病院 材料部・手術部, 3.東北大学病院 手術部)

【背景・目的】
当院では,これまで地震を想定した総合防災訓練を実施していたが,今年度はCBRNE(chemical, biological, radiological, nuclear, explosive)を想定した訓練が実施された.多数傷病者受け入れに際し,多数傷病者診療エリア,手術部との連携について検討し,総合防災訓練(訓練)がスムーズにできたので報告する.
【活動内容】
救命センターには多数傷病者診療エリアが設定されるため,1.多数傷病者診療エリアで使用する器械の払い出し,必要数量の検討,2.使用済器材回収用コンテナの準備,3.使用済器材回収・滅菌済器材搬送者の選定と搬送者用アクションカードの作成,の3点について検討し,作成した.訓練時の器材の搬送は,平常時に搬送している委託業者の協力が得らたため,アクションカードの記載内容が十分か,訓練時に確認することとした.多数傷病者の手術器械の対応として,1.材料部保管器械数の把握,2.定期手術中止時の未使用器械の回収と保管,3.使用済器械の回収と洗浄,再滅菌,の3点について検討した.
【結果・考察】
多数傷病者エリアへの器材の搬送は,アクションカード項目に沿っておこない,問題なく遂行できた.初回搬送時に看護師長が同行し,各エリアの責任者と器材搬入出ルールについて確認し,傷病者診療訓練中であってもエリアに器材を搬入することが可能となった.また,発災から30分の間に材料部保管の手術器材数をカウントし,手術部災害対策本部会議開催時には情報提供できた.手術部会議時に使用可能器械を把握することより,疾患別即時受け入れ可能患者数の把握が可能となったと考える.
手術部,救命センターなどの各エリア担当者と定期的に協議し,対策を検討したことにより,今回の訓練はスムーズに実行できた.今後もマニュアルの検討,シミュレーションの実施,改善点の検討を継続的におこない,検討を重ねていくことが,災害に対応するためには不可欠であると考える.