第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

材料部業務管理

材料部業務管理

[9] 洗浄滅菌業務における施設間連携の検討と実施

冨樫 清英, 河野 絵理, 東田 明美, 中崎 理恵子, 林田 史香, 山内 朋子, 早坂 隆吾, 船迫 優子, 神舘 笑 (北見赤十字病院 物流情報管理室 滅菌係)

【はじめに】
当院では,2018年4月よりA病院との連携がスタート,各部門における業務移管が開始されることとなった.洗浄・滅菌部門においては,連携以前より業者を通じた洗浄方法の問い合わせが数回あったこと,また,当院にはない診療科が主要の施設であること等から計画的な業務移管をおこなうため検討をおこなうこととした.
【計画立案と実施】
まず,設備・器材数および業務内容の確認のため施設見学およびヒアリングを実施.結果,看護師不足に伴う洗浄・滅菌業務の負担が明確となり,早急な業務移管の必要性が判明した.ヒアリングの結果から業務量調査を実施,洗浄・滅菌業務における人員数を把握し,当院で人員確保をおこなうこととした.業務調査の結果,平均業務量は8時間30分と判明したが,洗浄不足・乾燥不足による滅菌不良等問題点も判明し,改善に要する業務を考慮すると業務量は平均13時間30分となり,必要人員数は約1.5名と判断した.この結果から,2名の職員派遣を検討し,人員確保を実施,2019年1月より業務移管をおこなった.業務移管後,洗浄業務の変更・包装方法の変更・乾燥設備の更新等をおこない,様々な改善を実施した.
【考察】
異なる施設間において業務移管をおこなうこと自体が稀なため,計画立案から実施,その後の経過も含めて様々なトラブルを予想していたが,事前調査をおこなうことにより対策が可能となり実施後のトラブルはなかった.
【結論】
洗浄・滅菌業務を異なる施設で連携をおこなうことは,スムーズな業務移管が可能であり,不測の事態に対する対応が可能であると同時に,働き方改革に伴うタスクシフトにも貢献できる.また,通常の契約と異なり業務範囲に大きな制約がないことから,業務効率化・品質の向上に貢献できると考える.