第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

臨床工学業務

臨床工学業務

[36] 超過勤務時間削減に向けた取り組み

藤井 和弥1, 吉本 和輝1, 前原 友哉1, 上田 健史1, 小西 智之1, 久保田 篤1, 田中 優衣1, 松本 裕則2 (1.京都山城総合医療センター 臨床工学室, 2.京都山城総合医療センター 麻酔科)

【背景】
 2019年度から働き方改革関連法が施行され,A病院においても超過勤務時間(超勤時間)の削減が求められている.A病院の臨床工学技士は,現在,医療機器管理業務,呼吸器業務,循環器業務,内視鏡業務,血液浄化業務をおこなっている.また,休日,夜間時間外の臨時業務にも対応できるように24時間365日オンコール体制を7名でおこなっている.臨床工学技士は,業務が多くの部門に分かれているため,スタッフは残務量を把握できず,帰宅時間が予想できない状況であった.そこで以前我々は,業務改善の取り組みとして,臨床工学技士の業務全体を把握する管理者を1名配置した.管理者はスタッフから月毎の超勤時間の報告を受け,それをもとに残務を的確に指示する取り組みをおこなった.しかし,帰宅時間の予想が可能となったものの,超勤時間に変化は無く,スタッフ間で超勤時間のばらつきが大きいことが課題であった.そこで今回我々は,スタッフの超勤時間およびスタッフ間の超勤時間のばらつきを減らす必要性を感じ,研究を計画した.
【方法】
スタッフの月毎であった超勤時間の集計を週毎に変更した.管理者はその情報をもとに,超勤時間が少ないスタッフへ残務を指示する取り組みをおこなった.取り組み前後でスタッフの超勤時間を集計し,統計学的に解析した.また,超勤時間のばらつきの指標として標準偏差を用いた.統計には Student-t 検定を用い,p<0.05を有意差ありとした.
【結果】
スタッフ全体の超勤時間の平均は,取り組み前後で有意に減少した.スタッフ間の超勤時間のばらつきは,取り組み前最大で18.19時間であったものが,取り組み後最大で9.55時間に減少した.また,超勤時間のばらつきの平均は,取り組み前後で有意に減少した.
【結語】
スタッフの超勤時間の集計を月毎から週毎の管理に変更した.その結果,スタッフ全体の超勤時間およびスタッフ間の超勤時間のばらつきが有意に減少した.