第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理システム

医療機器管理システム

[40] 医療機器管理システムの見直しによる機器の運用効率化への取り組み

川畑 綾平, 畑中 晃, 高田 裕 (京都岡本記念病院 臨床工学科)

【背景】
 当院では2018年より医療機器管理ソフトを導入し,中央管理運用により,借用部署がCE室にて貸出処理および返却処理をおこなう運用をおこなっていた(以下旧運用).しかし,中央管理をおこなっていながらも病棟からの返却率は悪く,機器台数不足による機器の未点検状態や点検業務遅延やレンタル台数の増加が発生していた.そこで従来の中央管理方法を見直し,機器の運用効率化を目指した.
【目的】
 新運用では,貸出運用は従来と同様の受動的運用を踏襲し,返却運用を院内の各病棟に午前と午後に臨床工学技士が医療機器の回収をおこなう能動的運用へと変更をおこなった.(以下新運用).今回,これらの運用変更による機器の運用効果の検証をおこなった.
【方法】
 旧運用と新運用における,それぞれ5ヶ月間の返却台数を比較し,返却率と在庫回転日数を調べ機器の運用効率化の効果判定をおこなった.なお調査対象機器は,院内で使用率の高い輸液ポンプ,シリンジポンプ,経腸栄養ポンプ,フットポンプ,低圧持続吸引器,ベッドサイドモニタの計6種類とした.
【結果】
 新運用は旧運用の返却率に比べて,対象の6種類の機器すべてにおいて増加した.また,シリンジポンプで最終的には59日短縮することができ,最も在庫回転日数が短縮された.
【考察】
 今回システムを変更したことで病棟からの返却率は上昇し在庫回転日数も上昇することがわかった.しかし,在庫回転日数を調べると1種類の機器は上昇したことから,機器の運用適正台数を計る指標ともなり今後の機器の購入の指標としても役立つことが分かった.
【結語】
 新運用では旧運用に比べて返却率と在庫回転日数は上昇し,運用効率が良くなった.