第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

洗浄評価

洗浄評価1

[52] 耐用年数を迎えたウォッシャーディスインフェクターの洗浄能力維持・向上を目指して

柳原 力矢1, 吉村 太志2, 藤田 貴司 (1.名古屋市立西部医療センター 中央材料室 ワタキューセイモア㈱, 2.㈱ニチオン)

2011年5月の開院時,中央材料室に設置したウォッシャーディスインフェクター(以下WDとする)3台において,耐用年数が近づくと同時に様々な問題(故障,エラー等)が発生し,各種消耗品の交換,設定調整が余儀なくされた.その修繕毎に,当該WDをいつも通り稼働させて業務を遂行しているが,その装置が従来までと同様の洗浄能力を発揮できているかどうかは定かではないため,一番簡易的に確認ができる洗浄評価インジケータを用いて日常のモニタリングを実施していた.耐用年数を迎えた約1年前より,日常WDに使用している洗浄評価インジケータだけではなく,より厳しい結果が求められるインジケータを使用して検証した結果,期待値以上の評価が得られず,明らかに経年劣化による洗浄能力の低下が見受けられた.本来であれば,新しい洗浄装置の設置を視野に入れたいが,中材だけではなく様々な部署において開院後に設置した医療機器の更新時期を一度に迎えるため,修繕して稼働する機器については,修繕を重ねて少しでも長く使用することが求められた.中材での滅菌プロセスで重要となる洗浄業務の品質が低下することは,滅菌物作成に大きな影響を与えるため,当院において洗浄業務にメインで使用しているWD3台における洗浄能力の維持および向上が必須であり,そのための具体策として(1)洗浄時間の延長,(2)洗浄水の温度,(3)洗浄剤の見直しなどが挙げられた.ただ,日常の業務効率を考慮すると,WDの全工程時間が延びることは建設的ではないため,より短時間でより品質の高い洗浄結果が得られる方法を目指し取り組んだ.その結果をここに報告する.