第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

洗浄評価

洗浄評価2

[59] 洗浄処理後のすすぎ信憑性評価のための生物学的な安全性評価試験方法の検討

川田原 瑠勇1, 藤田 敏1, 原田 陽滋2, 臼井 健二3 (1.クリーンケミカル㈱技術部, 2.クリーンケミカル㈱開発戦略部, 3.甲南大学フロンティアサイエンス学部)

【研究目的】
医療器材の再生には,微生物学的な滅菌の担保のみならず,洗浄剤そのもの,患者由来のタンパク質などの汚れなどが器材表面に残存していないことを保証することも高度医療技術が進む昨今,安全性の観点からも極めて重要であることは言うまでもない.現在,医療洗浄業界において洗浄評価の手法は既に幾つか確立されているが,洗浄剤など処理薬剤の残存性の評価手法は未だ確立されておらず,その許容値や合格値なども具体的でなく信憑性に欠ける.
一方で医療材料の安全性評価方法は国際化が図られISO10993-5には,細胞毒性による試験方法や医療材料の適正使用合否判断基準などが記載されている.
そこで本研究では,すすぎ処理後の医療器材に残る洗浄剤などの残存物による毒性を数値化するため,細胞培養液抽出法を考案し,抽出方法,細胞培養方法ついて検討をおこなったので報告する.
【検討内容】
すすぎ処理後の器材からの毒性物質の抽出方法の検討,抽出液のV79細胞(チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞)の分離生育状況による残留毒性評価方法の検討をおこなった.
【結果】
本研究により,適合性のある抽出用材料の選定がおこなえ,細胞培養液抽出法により高効率な細胞生存率によるすすぎ性評価がおこなえる可能性が示唆された.