第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌2

[63] QMSに基づく滅菌保証の検討

小林 誠 (公益財団法人日本心臓血圧研究振興会付属 榊原記念病院 滅菌器材管理課)

これまで,医療現場における滅菌バリデーションの実践には再使用可能な医療機器の洗浄,滅菌条件をメーカが表示を明示していないため,バリデーションができないことについて報告してきた.滅菌バリデーションとは滅菌保証レベルは無菌性保証水準(SAL)達成と製品適格性(品質,性能,安全性)の確認をおこない,恒常的に品質が安定した滅菌物を製造,供給するための一連の品質保証行為である.市販されている滅菌済み医療機器はQMS省令により規定され,各メーカの滅菌バリデ-ションにより滅菌品質が担保されている.我が国の医療施設では滅菌バリデーションは強制されていない.本来,医療施設においてもメーカと同じ品質の滅菌物を提供するべきと考える.これまで,医療施設における滅菌バリデーションの実践について検討してきた.しかし,QMS省令が求めている製造責任所在,品質達成方針,品質維持活動などについては未だ検討していなかった.これらは,品質維持活動上,日常的にスタッフ全員が意識し目的としてのビジョンとなるため,実業務に際しての,医療施設の方針として確定するべき事項である.今回,これらの内容につき検討し,明文化したので報告する.