第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌3

[77] LTSF滅菌によるリユーザブルフィルタ方式滅菌コンテナにおける滅菌剤残留性の検討

酒井 大志 (越谷市立病院 中央滅菌室・手術室)

【はじめに】
低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌は「医療現場における滅菌保証のガイドライン2015」に掲載された低温滅菌のなかで,唯一滅菌コンテナの使用が推奨されていない滅菌方法である.近年院内から酸化エチレンガス(EOG)滅菌を撤去する施設が増加し,代替手段としてLTSF滅菌による滅菌コンテナの処理を希望する施設は多い.今回,第94回本学会で報告された東京医科歯科大学久保田らの検討結果を参考に2種類のリユーザブルフィルタ(RF)方式の滅菌コンテナを用いてホルムアルデヒドの残留試験をおこなったので報告する.
【方法】
バルブ方式およびバイオストップ方式のRF方式のコンテナを用い,EN14180で定義されたフルロード5種類の擬似滅菌物を用いてLTSF滅菌60℃工程をおこない,ガイドライン2015に掲載されたJIS L 1041に記載されている一般的なホルムアルデヒド付着残留の測定方法をおこなった.さらに厚生労働省指定の計測器 FP-31を用いた作業環境の気中濃度を測定した.
【結果】
今回の2種類のRF方式のコンテナはガイドラインの残留基準を満たしていることが確認された.さらに,本研究中の作業環境には2002年に厚生労働省から発表された「職域における屋内空気中のホルムアルデヒド濃度低減のためのガイドライン」の数値内にホルムアルデヒドの気中濃度も管理された状態であった.本研究によりLTSF滅菌による滅菌コンテナのホルムアルデヒド残留性はRF方式においてもその適用の可能性が示唆された.