第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌3

[79] 中材における乾燥の実態と乾燥能力の検証

森 正史, 小湊 京子, 藤島 宏美, 佐久間 由美子, 宮下 達也 (福島県滅菌業務研究会)

【はじめに】
昨今,ウォッシャーディスインフェクター(以下WD)の乾燥能力が向上してきているが,国内ではWDで洗浄できない器材も多く,まだまだ用手洗浄に依存し乾燥設備での乾燥作業が定着している.また,乾燥器単体での条件や品質担保の要件が存在しないのも事実である.今回,県内各施設の乾燥作業の現状と乾燥設備の乾燥能力について検証したので報告する.
【現状】
日常的に乾燥作業における器材乾燥確認は各個人の感覚に任されている.乾燥時間等の設定はなく,扉の開閉は頻繁におこなわれ,被乾燥物を振る等の行為での確認が一般的だという認識である.また,乾燥設備の稼働性能確認や保守点検等に触れられていない現状である.
【結果】
結果として,設定温度に対して庫内温度安定後10点実測平均温度は無負荷で50℃設定に対し+1.6℃-2.3℃.60℃設定無負荷で-9.3℃.実際に有負荷では50℃で-5.9℃,60℃で-6.5℃であった.庫内温度安定までは温度設定によるが,最短15分,最長60分であった.途中の扉解放作業による温度低下は30秒で10℃下がることが判明した.
【考察】
評価結果から実際の温度表示より実際は低い温度であった.設備の構造上,庫内温度のバラツキは否めない.設定温度が高い方が温度は低い傾向にあった.これらを踏まえて温度,時間,湿度,風量が乾燥器に求めるパラメータであると推定される.
【結論】
始動から設定温度までの安定する時間は約1時間を要することでその時間を有効利用する業務をする.取出しは乾燥時間を定め,扉解放回数を最小限に抑える.庫内温度結果より乾燥し難い器材は温度が比較的高い箇所に積載し乾燥作業の効率化を図る.