第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部業務管理

材料部業務管理

[8] A病院における洗浄・滅菌業務の業務量調査報告

岡本 教子1, 久保木 修2 (1.社会福祉法人 恩賜財団 済生会京都府病院, 2.京滋滅菌業務研究会)

当院は中央滅菌センター(以下滅菌センター)を独立した部門がなく,手術で使用した器材の再処理は手術室看護師(以下ORN)が担当している.病棟,外来での使用済み器械は院外の滅菌センターで再処理をしているが,現状の問題として院外で処理するために返却までに時間を要すること,持ち出せない器材は各部署で洗浄・消毒を施さなければならない.これらを解決すべく2年後に控えた新病院への移転のタイミングで滅菌センターの立上げを予定している.今回,滅菌センターの人員構成を検討するにあたり,手術室でおこなわれている洗浄・滅菌の業務量とその時間について調査したので報告する.現在の手術室での再処理業務は,1名が担当者となり業務を担う.ただ,1名では対応しきれないこともあり,洗浄は器械出し看護師が実施し,組立や性能点検はフリーのORNがおこなうことが多い.今回は中林氏が作成した「洗浄・滅菌業務 業務量調査票Ver.2」を使用し滅菌担当者+ORNが実施している1日の業務時間を調査した.調査は3週間実施し週の平均では1日あたり滅菌業務全体に約10時間要し,滅菌担当者は約4時間46分担っていることが確認できた.最大では全体が15時間40分,滅菌担当者は6時間45分であり,一方最小では全体が8時間,滅菌担当者は2時間15分という結果であった.最大時の業務割合は,洗浄工程13%,組立工程63%,滅菌工程1%,既滅菌工程12%,記録2%となり,最小時の業務割合は,洗浄工程24%,組立工程54%,滅菌工程7%,既滅菌工程12%,記録3%という結果であった.現状の滅菌業務は手術件数に完全に依存されていることも再確認できた.今後,中央化にシフトした場合は全体の処理量や供給サイクルなどを勘案し,業務チェックシートの改善が求められる部分を補完し質が保証できる人員構成を検討したい.