第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全

医療安全2

[86] SPD物流システムの配置定数の見直し

-RPAを用いた医療材料の適正在庫管理-

古畑 貞彦1, 大久保 敏子1, 大輪 正樹2, 渡辺 利光2 (1.信州大学医学部附属病院 材料部, 2.甲信越エア・ウォーター㈱)

はじめにSPD(Supply Processing Distribution)物流システムにより医療材料を供給している.定数払出は,各部署の材料ごとに配置定数を定め,SPDカードによって補充している.臨時払出は,各部署において在庫が不足した場合に払い出される.ほかには持込や直納のものがある.SPDシステムでは,供給管理と使用期限管理をおこなう.それらの実績データから,部署への適正配置を試みた.対象と方法院内のSPD供給をしている部署を対象に2019年4月から11月における医療材料の払出状況を調査した.調査期間中に払い出した保管棚は125か所,払出数は417,475件であった.データ量が非常に多いため,RPA(Robotic Process Automation)の自動処理を用いて各データを集計し,消費状況と比較して部署への配置定数を見直した.結果 調査期間中の定時払出数は339,595件,臨時払出数は51,721件,返品処理数は1,966件,持込材料消費数は24,193件であった.払い出した医療材料数は15,940,346個,8,827品目であった.各払出量と消費量に対して,部署の配置定数とSPDカードのアリバイを確認できる集計表を作成した.それにより,従来は経験に基づいた医療材料の在庫数であったが,今回消費実績をもとに配置定数を見直したところ,医療材料の臨時払出の状況が明確になった.配置定数の見直しと請求後の翌日に納品供給される環境を整えることにより,不安のための在庫確保数を削減でき,保管棚が整然となることで安定した在庫管理ができた.考察とまとめ 消費実績から医療材料を適正定数で配置することにより,臨時払出が減少し,医療材料管理室の在庫量も安定する.適正な在庫管理ができれば,医療材料経費の削減にも繋がる.さらにSPD実績データを解析して,見直しの成果を確認する.