第95回日本医療機器学会大会

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一般演題

呼吸循環

呼吸循環

[87] 体外式ペースメーカ測定器の性能比較

佐藤 貴彦1, 宗万 孝次1, 成田 孝行1, 土田 祐樹1, 平田 哲2 (1.旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門, 2.旭川医科大学病院 手術部)

【はじめに】
体外式ペースメーカ(以下TPM)は,特定保守管理医療機器であり適切な管理をおこなうことが,安全な医療には必要不可欠である.日常保守において使用するTPM測定器を3機種使用する機会があったため,各社の性能について報告する.
【対象】
FLUKE社製 SigmaPase1000(以下SP1000)・平和物産社製 HB-001KNY(以下HB-001)・アルバック東北社製 PMM-201(以下PMM)の3機種を対象とした.
【結果】
各社ともに,デュアルチャンバーでの測定は可能であり基本的なレート・出力電圧・パルス幅・AVディレイ・感度測定などは当然測定可能となっている.各社の特色に関しては,SP1000はハムノイズ再現や,直流漏れ電流,ランニングテスト,出力波形選択が可能等,機能は非常に充実している.しかし,操作に関しては,煩雑であり慣れを要する.HB-001に関しては,ハムノイズ再現に加え,最大3チャンバーでの測定,自動測定・オートセンス機能が備わっており,タッチパネル画面は小さいが,操作性に問題はない.但し,OSYPKA社製TPM専用であり,他社製のTPMでの測定精度が保証されていない.PMMはディスプレイが見やすく,操作も非常に簡便である.また本検討の中で最も安価となっている.しかし,測定項目は基本的な項目に限られ,現行機種はほぼ網羅されているが,新機種に関してはアップデートが必要となる.
【考察】
TPMは心臓に直接電気刺激を与える機器であり,不具合は重大な健康被害をもたらす.各項目の継時的な変化を記録することにより,経年劣化をいち早く発見し,不具合を起こす前に対応が可能となる.
今回,3機種のTPM測定器の比較をおこなったが,各社様々な特色があるため,各施設の運用状況に合わせて,機種の選定をおこなっていくべきだと考える.そして定期的な点検をおこない,安全な医療を提供することが臨床工学技士の責務だと考える.
【結語】
3機種のTPM測定器の比較をおこない,運用状況に合わせた機種選定をおこなっていくべきである.