第95回日本医療機器学会大会

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Symposium

シンポジウム1 遠隔医療において医療機器が果たす役割

座長:畠山 登(愛知医科大学),小林 直樹(日本光電工業株式会社)

[シンポジウム1] 医療ICTと遠隔集中治療について

高木 俊介 (横浜市立大学医学部附属病院 集中治療部)

米国で遠隔ICUが普及した要因として,高齢者の医療費増大,再入院削減プログラムによる医療の質向上の必要性が挙げられている.日本では遠隔ICUの仕組みを働き方改革と次世代医療基盤法によるデータ利活用として期待されており,厚労省は遠隔ICUの補助金の整備をおこなった.我々は横浜市と連携して,Tele-ICUを事業として進めるべく3病院と連携して遠隔ICUを構築した.現在,本格運用に向けて調整を進めている段階である.各施設における診療,医療機器,対象疾患などが異なることから,これらを加味した運用フローの構築が必要である.また,複数年事業として継続するための計画が必要であり,ステークホルダー毎のメリットを保持したシステム構築が望まれる.現在のコロナウイルス患者の増加により,今後の遠隔ICUに求められるニーズは多様化してくると思われ,学会としても政府と連携して柔軟な対応をしていく必要があると考えている.