第95回日本医療機器学会大会

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Symposium

シンポジウム3 歯科診療域における再生処理の現状と今後の展望

座長:髙戸 毅(JR東京総合病院),伏見 了(ワタキューセイモア株式会社)

[シンポジウム3] 歯科病院における再生処理中央化の構築と業務改善

辻上 博美 (神奈川歯科大学附属病院 歯科衛生士科)

2014年5月に某新聞社が,歯科診療に必須なタービンの不適切な管理状況を取り上げ,歯科における感染対策に対する認識の低さが大きな関心事となった.歯科外来では唾液,血液,食物残渣およびプラーク細菌と接する器具が多く,再生処理は極めて重要な業務の一つと考えられる.中央材料室は,診療の安全と安心を確立するために器具再生処理の中枢を担う.教育機関でもある神奈川歯科大学付属病院は,新病院設立を機にCDCガイドラインに準拠した再生処理のシステム構築を目的として歯科医師,歯科衛生士,滅菌管理技士それぞれの立場で検討を重ね完全中央化を構築した.その結果,歯科における再生処理業務の重要性を再認識することができた.また,中央化構築の過程で再生処理全体の見直しを実施し,消毒薬含有洗剤の能力や超音波洗浄器の作動状態確認の必要性など,いくつかの業務改善に繋がる知見が得られたので合わせて報告する.