第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌2

[T66] タイプ5 化学的インジケータの性能および判定のしやすさ・視認性の評価

木村 登, 成島 魁至, 奥野 雅士, 久保木 修, 長瀬 昭広 (スリーエム ジャパン㈱医療用製品技術部)

【目的】
手術に用いられる器材が正しく滅菌工程を通過したか,適切な条件で処理されたかを確認するための1つの方法として化学的インジケータの使用が挙げられる.化学的インジケータの判定を見落としたことにより未滅菌器材が手術へ使用されてしまった事故報告もある.本発表ではインクの移動で判定をするタイプ5化学的インジケータの性能および判定のしやすさ・視認性について評価をおこなったので報告する.
【方法】
国際規格ISO18472に適合した評価用滅菌器(レジストメータ)および通常の蒸気滅菌器を用いて化学的インジケータの蒸気滅菌に対する基本性能を確認した.また,段階的に滅菌処理をした化学的インジケータを複数の使用者がどの程度正しく判定できるか,器材と一緒に挿入した化学的インジケータがどの程度目立つのか(視認性)に関しても評価をおこなった.
【結果】
今回評価に用いたタイプ5化学的インジケータは,生物学的インジケータとの相関を有するのみならず,判定のしやすさに関してもインク変色で判定をするインジケータと比較して使用者がバラツキなく正しく判定できた.また視認性も優れていることが分かった.
【結論】
化学的インジケータは滅菌工程の良否を的確に判定する基本性能のみならず,使用者が正しく容易に判定しやすい,目につきやすいという点も重要である.これらが判定見落としの低減に寄与できると考える.