第96回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療安全

医療安全

座長:内田 荘平(福岡看護大学)

[19] 臨床現場のニーズに合わせた魅力ある医療機器研修への取り組み

清瀬 佑二, 峰松 佑輔, 福邉 祥子, 平野 匠, 中村 有希, 楠本 繁崇, 南 茂, 高階 雅紀 (大阪大学医学部附属病院 臨床工学部)

【背景】
当院では,2011年から全職員を対象とした医療機器研修を毎週末に臨床工学部の機器管理室を開放しおこなっている(通称:Open ME).研修は,各個人のニーズに合わせるため「できるだけ少人数で実機に触れながら,操作方法や機能を理解できる」ように個別研修をおこなっている.一方,近年の社会情勢や時代の経過とともにe-Learningによるオンデマンド研修など研修形態も少しずつ変化している.しかし,これら研修で扱う資料は,古いものはあまり更新されず,新しい機器の資料だけが追加されるため同じ用途の医療機器であっても整合性がなく,何よりも研修後に資料を臨床現場で利活用されにくいものとなっていた.
【目的】
今回,臨床現場のニーズに合わせた利活用できる資料づくりや医療機器研修における工夫など当院の医療機器研修への取り組みを紹介する.
【方法】
機器管理室で取り扱う機器のうち,8機種を対象に研修資料ならびに研修内容の見直しをおこなった.研修資料は,臨床で直面する課題やニーズを取入れ,研修内容については,基本的なところからトラブル対応など踏み込んだところまでを対象とした.
【結果】
研修で用いる資料は,基本的な注意事項を理解するために添付文書にはじまり,臨床現場へ持ち帰った際に利活用できるよう,準備物品,操作方法(使用前・中・後)に加え,簡単なトラブルシューティングを追加した.また,すべての研修で資料を統一することで,e-Learningのような実機のない研修の欠点を補完できるようなった.今後も臨床現場からのニーズをいつでもフィードバックできるように,携帯やパソコンから容易に回答できるアンケートフォームを作成し資料に追記した.
【結語】
機器管理室で扱う8機種について,臨床現場からのニーズを取入れ魅力がある医療機器研修を目指した当院での取り組みについて報告した.今後は対象機種を増やし,更なる高みを目指していきたい.