第96回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理

座長:楠本 繁崇(大阪大学)

[33] 非診療エリアでのX線装置の管理(届出・機器管理・被ばく線量管理)

木野村 豐 (藤田医科大学 サージカルトレーニングセンター カダバーサージカルトレーニング施設)

【目的】
現在勤務している藤田医科大学サージカルトレーニングセンター・カダバートレーニング施設は2019年2月に開設され,篤志献体を用いて臨床解剖学的知識と手術および検査手技向上ならびに次世代診療技術創出のための教育・研究に資するとともに,医療安全,医学発展に寄与することを目的とした業務をおこなっている.基本的に外科系診療科が主体となるが,特に整形外科はX線透視下でのトレーニングがおこなわれため,X線装置が必要になる.2020年12月1日に診療放射線技師が赴任した.また,移動型X線透視装置の導入も決定した.X線透視装置導入にあたり,医療と異なった行政への手続き,X線装置の管理およびトレーニングスタッフの被ばく線量管理について報告する.
【管理内容】
1.届出:本施設は医療機関に該当しないため,労働安全衛生規則に則った届出の実施.
2.装置管理:X線を取扱う装置であるため,医療に準じた装置管理をおこなうことが望ましく,一人の技師でおこなえる始業終業点検の実施.
3.被ばく線量管理:X線の使用により,トレーニングに参加したスタッフへの被ばく線量管理をおこない,記録に留める.
【結果】
届出は労働安全衛生規則に則り,機器等設置届,放射線装置概要書とそれに伴う添付書類を提出した.装置管理は,前任地でX線装置の始業終業点検表を作っていたので,導入装置に合うように少し修正をおこなった.被ばく線量管理については,装置本体に線量記録システムが搭載されており,透視時間等も把握できる.また,ポケット線量計を導入し,個人線量管理をおこなうようにした.
【まとめ】
非診療エリアでもX線装置を取扱う以上は,関係機関への届出,機器の安全使用のための点検管理,被ばく線量管理は必要なことであり,これらのことがしっかりできていることは,施設およびトレーニングスタッフへの安全・安心を生むことになる.