第96回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

テレメータ

テレメータ

座長:新 秀直(東京大学)

[44] 当院における医用テレメータの適正配置についての検討

松井 祐馬, 冨重 明弘, 三島 博之, 定松 慎矢 (九州大学病院 医療技術部 臨床工学部門)

【背景・目的】
生体情報モニタや送信機(医用テレメータ)には,電波法で定められた1,000番台から6,000番台までの4桁のチャンネル(以下CH)が割り振られており,全480CHが設定されている.当院にてCH管理の調査をおこなった際に,ある病棟で送信機が不足している例が見受けられた.そこで各病棟が保有する送信機の必要台数の見直しをおこなったので,今回ここに報告する.
【方法】
各病棟をラウンドして送信機の使用状況を確認し,MEセンター所有のME機器管理システムの登録状況と照合をおこなった.ME機器管理システムとの整合性を確認し,新たにCH管理表の見直しをおこない,搬送用モニタ・送信機の適正運用をおこなうこととした.
【結果】
各病棟をラウンドした結果,病棟間で送信機の貸し借りがおこなわれていた例があった.また,セントラルモニタの表示可能数以上に送信機を保有している例が見受けられた.これは患者搬送時のパルスオキシメータ替わりとして使用され,送信機としての本来の役割を果たしていない運用であった.そこで,現状の使用状況に即した形での適正配置をおこなった.
【考察】
送信機をパルスオキシメータ替わりに使用していた事例の対応として,小型パルスオキシメータの追加購入をおこなった.必要な病棟に配布することで,送信機の台数を確保することとした.その確保できた送信機を足りない病棟に配置することで,病棟間の貸し借りが無くなるものと考えられる.また故障時や貸し出す際の対応手順を見直し,MEセンター内スタッフにも周知した.なお,今後は年に1回おこなわれる生体情報モニタの定期点検に同行し,保有台数ならびにCHの確認をおこない,医用テレメータ管理の適正運用をおこなう方策について検討をおこなうこととしている.
【結語】
患者バイタルサインデータの混信は,生命維持に大きく影響を及ぼす可能性があるため,確実なCH管理ならびに定期的な見直しが必要であると考える.