第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌2

滅菌2

座長:大平 正樹(サクラ精機株式会社)

[45] QMSに基づく再使用可能医療機器(RMD)の適切な品質管理の実践

三木 智恵美 (留萌市立病院 手術・中央材料室 救急外来)

【目的】
QMS(ISO 13485)を基盤とした医療現場におけるRMD再生処理を実践するために,使用済RMDの回収から再生,払い出しの現工程を確認・検証・評価する.
【方法】
QMSの製品実現 設計開発(プロセス)に基づいて,現工程(プロセス)の現状を把握した.具体的には,RMDの再生における品質管理(回収/仕分け/洗浄・消毒/点検・組立・包装/滅菌/保管),RMDを患者に安全に使用するための消費管理(供給/使用),RMDの品質保証(バリデーション)と,一貫性のあるスタッフ教育について,確認・検証し,評価した.
【結果・考察】
洗浄バリデーション,日常的な洗浄監視管理法において,目的としている品質基準を維持するための作業が実施されていることを確認した.また,洗浄バリデーションを実践することがスタッフ教育に繋がることも確認できた.滅菌バリデーションでは,特殊な形状・材質の貸出手術器材において滅菌条件未達成の器材が確認され,現在,継続的に検証中である.包装についてのバリデーションは実施できておらず,今後の検討課題である.病棟・外来における滅菌物のロジスティクス,保管環境は部署により異なり,一貫した保管基準の必要性が示唆された.また,標準作業手順書(以下SOP)についても充実させる必要性を感じた.
【結論】
RMDのQMSは,文書化や仕組みの整備に留まらず,品質を継続的に担保し改善し続けるシステムの構築が重要となる.プロセスについては,貸出手術器材の滅菌条件達成確認と部署の垣根を超えたスタッフ教育および滅菌物保管環境の整備・指導,包装についてのバリデーション,SOPの整備が今後の課題である.改めてQMSを基盤としたリスクベースによるプロセスの確認・検討が重要であることが理解できた.