第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

洗浄1

洗浄1

座長:市橋 友子(聖路加国際病院)

[5] 手術支援ロボットの更新における洗浄・滅菌業務改善の取り組み

宮下 達也, 遠藤 力, 岩浅 廣美, 藤田 貴子, 三瓶 正弘, 長嶺 豊和 (竹田綜合病院 看護部 中央滅菌材料室)

【はじめに】
当院では,2012年からロボット支援下手術を導入している.2019年にダヴィンチSiからダヴィンチXi(以下Xi)に機種更新がおこなわれた.Xiの運用によりアーム同士の緩衝に伴う手術進行の中断やアームが患者下肢に接触することによる皮膚障害の減少,さらにカメラ取付位置の多方向化による手術展開範囲の拡大が可能となる.しかし,インストゥルメントやスコープの形状・規格変更や大型化により洗浄・滅菌業務の改善が必要になった.今回取り組んだ業務改善の内容について報告する.
【目的】
手術支援ロボットの更新において洗浄・滅菌業務を改善し,安全・迅速に器材を提供する.
【方法】
期間:2019年9月~2020年5月・浸漬槽の作成・洗浄装置:A社からB社へ変更(現行B社洗浄装置に専用ラックを取り付けた)・滅菌方法:低温蒸気ホルムアルデヒド(以下LTSF)滅菌から過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌へ変更

【結果および考察】
洗浄:インストゥルメント,スコープの形状規格変更や大型化により,従来の浸漬槽,洗浄装置では対応不可となった.浸漬槽については流通品が高額であるため自部署で規格条件に適合する浸漬槽を考案・作成した.洗浄についてはA社装置が適合外となったため現行使用しているB社装置に専用ラックを取り付けることで洗浄条件を満たした.
滅菌:器材大型化により従来のLTSFではケースでの収納が不可能となった.そこで滅菌装置を過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌装置に変更した.変更により滅菌時間が約3時間10分から約1時間となり,滅菌時間が約2時間10分短縮できた.
洗浄・滅菌の業務改善においては器材情報を精査し洗浄・滅菌適合性を検証する必要がある.また自施設の洗浄・滅菌および手術室運用と連携した業務改善が求められる.
【結論】
手術支援ロボットの更新において洗浄・滅菌業務を改善し,安全・迅速に器材を提供することができた.