第96回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

COVID-19/感染防止

COVID-19/感染防止

座長:畠山 登(愛知医科大学)

[65] 小型オゾン発生装置による環境オゾン濃度分布

渡辺 一夫1, 平井 紀光2 (1.日本メディカルファンド㈱, 2.日本医療科学大学)

【目的】
オゾンは,酸素原子の強い酸化力で,細菌の細胞膜を溶解するメカニズムで除菌効果を有し,また,コロナウイルスについてはオゾンがエンベロープを破壊し,ウイルス内部のRNAを障害することにより不活化すると考えられている.ただし高濃度のオゾンは人体への悪影響があるので,人体への影響を極力抑えた上で,オゾンを利用して環境空間中の細菌,ウイルスの不活化を図る必要がある.近年,藤田医科大学の村田等により人体に安全な低濃度オゾンガスで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活性化できることが明らかにされた.これを受けて,環境空間中の細菌,ウイルスの不活化を図るために,日本の作業環境基準であるオゾンガス0.1ppm未満の空間濃度を保つ小型のオゾンガス発生装置「Remoba OZONE®」が開発された.本研究では同装置による環境空間中でのオゾン濃度分布を明らかにする.
【方法】
対象装置を環境空間上に設置,稼働させ,複数箇所におけるオゾン濃度を時間経過とともに計測観察する.
【成績】
対象装置における3段階のオゾン発生量
(3mg/h,6mg/h,10mg/h)の調節により,常に対象環境空間のターゲットオゾン濃度0.03~0.05ppmを保てることが明らかとなった.
【結論】
同装置により,高湿度環境においても人体に安全かつ安定した環境空間中のオゾン濃度を維持することが可能であることが示唆された.