[77] 高流量鼻カニュラ酸素療法における経鼻胃管チューブの影響
【目的】
術後患者管理において,早期経腸栄養療法のために多くのケースで経鼻胃管チューブが挿入されるが,経鼻胃管チューブが高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)に与える影響は明らかになっていない.そこで今回,HFNCを装着した上気道を模擬したモデルを作成し,経鼻胃管チューブによる影響を検証した.
【方法】
胸腔を模擬した密閉ボックスの中にテストラングを入れ,15mmコネクタでボックスの外に導出し,気管に見立てたフローアナライザPF300™,模擬口腔,模擬鼻腔を装着した.ボックスのもう片方には,気道粘液除去装置カフアシスト™を接続し,ボックス内に陰圧を加えることで自発呼吸を再現した.鼻カニューレはFisher&Paykel社製のOptiflow™M(OPT844),Optiflow™L(OPT846)と日本メディカルネクスト社製のプレシジョンフロー™(MA1700)の3種類を使用し,経鼻胃管チューブの有無による吸入気酸素濃度(FiO2),呼気終末陽圧(PEEP)の比較をおこなった.
【結果】
FiO2に関しては,全ての鼻カニューレにおいて経鼻胃管チューブの有無による影響はなかった.PEEPに関しては,経鼻胃管チューブの存在により全ての鼻カニューレにおいて流量20L/min以上で有意に上昇し,MA1700>OPT846>OPT844の順で高い傾向が見られた.MA1700は最も内径が細く,カニューレ先端からの流速が上昇することにより呼気抵抗が増大し,PEEPの上昇につながったと考えられる.またカニューレ/鼻孔径比が大きくなるにつれて呼気ガスのクリアランスが低下するとの報告から,MA1700は経鼻胃管チューブが挿入されている患者において,PEEPとクリアランス両方において優位な可能性が示唆された.
【結論】
経鼻胃管チューブは,鼻孔内のチューブの占める割合が増加することで呼気抵抗が増大し,PEEPに影響を与える可能性が高い.
術後患者管理において,早期経腸栄養療法のために多くのケースで経鼻胃管チューブが挿入されるが,経鼻胃管チューブが高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)に与える影響は明らかになっていない.そこで今回,HFNCを装着した上気道を模擬したモデルを作成し,経鼻胃管チューブによる影響を検証した.
【方法】
胸腔を模擬した密閉ボックスの中にテストラングを入れ,15mmコネクタでボックスの外に導出し,気管に見立てたフローアナライザPF300™,模擬口腔,模擬鼻腔を装着した.ボックスのもう片方には,気道粘液除去装置カフアシスト™を接続し,ボックス内に陰圧を加えることで自発呼吸を再現した.鼻カニューレはFisher&Paykel社製のOptiflow™M(OPT844),Optiflow™L(OPT846)と日本メディカルネクスト社製のプレシジョンフロー™(MA1700)の3種類を使用し,経鼻胃管チューブの有無による吸入気酸素濃度(FiO2),呼気終末陽圧(PEEP)の比較をおこなった.
【結果】
FiO2に関しては,全ての鼻カニューレにおいて経鼻胃管チューブの有無による影響はなかった.PEEPに関しては,経鼻胃管チューブの存在により全ての鼻カニューレにおいて流量20L/min以上で有意に上昇し,MA1700>OPT846>OPT844の順で高い傾向が見られた.MA1700は最も内径が細く,カニューレ先端からの流速が上昇することにより呼気抵抗が増大し,PEEPの上昇につながったと考えられる.またカニューレ/鼻孔径比が大きくなるにつれて呼気ガスのクリアランスが低下するとの報告から,MA1700は経鼻胃管チューブが挿入されている患者において,PEEPとクリアランス両方において優位な可能性が示唆された.
【結論】
経鼻胃管チューブは,鼻孔内のチューブの占める割合が増加することで呼気抵抗が増大し,PEEPに影響を与える可能性が高い.