第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

ポスター演題

[P10] 映像出力ケーブルの定期点検の必要性の検討小型ケーブルチェッカを使用して

菅近 拓哉1, 松本 猛志1, 峰松 佑輔1, 楠本 繁崇1, 平野 匠1, 南 茂1, 高階 雅紀1, 吉富 晃子2, 山川 俊貴3 (1.大阪大学医学部附属病院 臨床工学部, 2.熊本大学病院 医療技術部ME機器技術部門兼医療の質・安全管理部, 3.熊本大学大学院先端科学研究部)

【はじめに】
映像出力ケーブルは,内視鏡カメラシステムなどの手術室ME機器に広く使用されている.しかし,映像出力ケーブルの定期点検は,メーカ点検でも詳細には実施されていない.当院においても定期点検は実施しておらず,不具合時に新品交換する対応をとってきた.今回,簡易的に測定できる自作小型ケーブルチェッカ(熊本大学)を用いた調査をおこなったので報告する.
【方法】
無作為に選出した映像出力ケーブル30本を点検対象とした.内訳は,SDIケーブル20本,DVIケーブル7本,S-VIDEOケーブル3本であった.小型ケーブルチェッカは,適合する端子にケーブル両端を差し込むことで導通チェックが可能となっている.不具合の発生頻度と,1本あたりの点検に要する時間を測定した.またデジタルテスターを用いた従来の点検方法でも同様に測定した.
【結果】
1本のDVIに断線反応が見られた.不具合のあったケーブルは,その後映像出力できないことも確認できた.その他のケーブルに断線反応はなく,抵抗値も正常範囲内であった.各ケーブル1本の点検に要する時間は端子が1本のケーブルで10秒,DVIなど端子が複数本あるケーブルでは300秒程度であったが,ケーブルチェッカでは10-40秒ほどで点検できた.デジタルテスターを用いての測定は,手技が煩雑になるだけでなく両手もふさがれてしまうが,小型ケーブルチェッカでは,差し込み式であるため測定は安定し,かつ,ケーブルを動かしながら判断することができた.また,測定時間が短いことから,臨床中の不具合に対し容易に判別できるものであった.
【結語】
小型ケーブルチェッカを用いた映像出力ケーブルの点検は,機器のダウンタイム軽減や医療安全対策に有用である.