第96回日本医療機器学会大会

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Panel Discussion

パネルディスカッション1 洗浄装置や滅菌装置に期待する機能~こんなんあったらええなぁ~

座長:水谷 光(千船病院),江島 豊(東北大学)

[パネルディスカッション1] CSSDの将来あるべき姿

―人の負担を軽減する仕組みを考える―

久保木 修 (京滋滅菌業務研究会)

CSSD領域で大きく変化したものといえばマシンの高速化と思う.その例としてはWD・蒸気滅菌・過酸化水素ガス滅菌,BIの判定と考える.高速化により回収から供給までの時間を縮減することが可能となった.しかし,滅菌装置に搭載するには,器械の性能点検や組立,セット組みや包装の工程が必要不可欠である.依然,人が介在する部分は大きく変化していないと感じる.むしろマシンの高速化だけ切り取られCSSDに要求される事項が増加したのではないかと考える.
他業種の動向を調査するとアパレルや通販も人に依存している傾向があるが,RFIDやAIの導入にて人に依存する負担を軽減し人工を減らす戦略を積極的に取入れている.また,これらの業界では入社日から活躍できる仕組みが構築されている.
CSSDの業務は知識や技術が必須となるため判断ができる自律人材を育成するためには多くの時間や訓練が必要不可欠となる.将来,労働人口減少に伴い人が介在する部分を縮減する施策が必要となる.今回,CSSDの運用に関わることについて“こんなんあったらええなあ”を紹介したい.
器械の性能点検は従事者の技能が要求される工程である.AIカメラや非破壊検査などを活用し誰にでも一定した基準で検査がおこなえるようにしたい.また,この工程で汚染の残留も検知できれば最適化が図れるかと思う.滅菌バッグやラップの包装も負担が大きい工程である.滅菌バッグは器械に応じて自動裁断などの仕組み,ラップ包装についても自動包装が導入されれば人への負担やばらつきも低減して安定した包装形態が実現できると思う.一例を紹介したが新しい発想を生み出すのはこれまでの前提を否定することも必要と考える.