第96回日本医療機器学会大会

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Panel Discussion

パネルディスカッション1 洗浄装置や滅菌装置に期待する機能~こんなんあったらええなぁ~

座長:水谷 光(千船病院),江島 豊(東北大学)

[パネルディスカッション1] 滅菌装置誕生141年目に思うこと

―滅菌装置改良の歴史からヒモ解く,2050年の滅菌装置に備えていて欲しい機能・性能―

栗原 靖弘 (㈱ウドノ医機 学術部)

紀元前ローマ時代の遺跡からメスや鉗子,鑷子や開創器など現在の手術器具に通じる鉄製の鋼製小物が多数発掘されている.人類は2000年も前から手術をおこなってきたが,滅菌装置が発明されたのは1880年(明治13年)と141年前である.驚くことに150年前におこなわれた手術に使用された鋼製小物は,「滅菌」がおこなわれておらず,全て「消毒レベル」であった訳である.当時の複雑骨折の術後死亡率が45%もあったことから,滅菌装置が普及した現代に生きる我々は,滅菌の恩恵を大いに受けていることを実感する.さて,今から30年前に岡山大学手術部助教授であった新太喜治は「過去の歴史を学び,未来に向かって改善していくことは滅菌・消毒を日常業務にしている者の務めである」と執筆している.滅菌供給業務に携わるようになって30年が経ち,この教えの元,滅菌装置について調べてみると,1880年に発明された滅菌装置はその後歴史の波に揉まれて,数々の改良が加えられ現在の型に至ったことを学んだ.滅菌装置改良の歴史をヒモ解くことを通して,約30年後の2050年の滅菌装置にはどのような機能・性能が備わっているのかを予想してみた.叶うならば,2050年の日本医療機器学会において,この予想の検証を実際に自分の手でおこなってみたい.