第96回日本医療機器学会大会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション2 手術室周辺の医療機器保管~どうやったら片付くのか~

座長:今井 英一(新潟大学),瀬戸口 秀一(佐賀大学)

[パネルディスカッション2] 医療機器の保管

―運用からの工夫―

瀬島 啓史1, 倉島 直樹1, 橋本 素乃2, 内田 篤治郎3 (1.東京医科歯科大学病院 MEセンター, 2.東京医科歯科大学病院 手術部, 3.東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 心肺統御麻酔学分野)

【はじめに】
当院の手術室は15室で大型器材室を設けている.しかし,平成3年に設計のため機器の種類や使用頻度は少なく,現状では全ての機器を器材室だけで保管できない.さらに,新型コロナウィルス症例に対する手術室設置に伴い,スペースの確保が難しい状況となった.また,当院の手術室運用は稼働率を高くするために部屋に機器は固定せず,使用する手術に合わせて機器を移動している.今回,そのような現状を踏まえ医療機器の保管に対して臨床工学技士としての取り組みを報告する.
【方法】
取り組みとしては,所有機器の専有面積を調査し,必要な器材庫の面積を算出した.その結果を基に,器材庫の検討をおこなった.また,手術申し込みに伴う医療機器オーダーから必要台数を算出し,内視鏡タワーと電気メスなどのデバイスに関し共有化を図った.
【結果】
機器の所有面積は合計66.3m2に対し,大型器材室は55m2(実際に使用可能面積は40m2)であった.そのため,不足分は各手術室内の器材庫などを使用した.しかし,器材室の保管では,術中の機器の出し入れは困難であった.内視鏡タワーに関しては,共用タワーが曜日によっては定数を超えるが,各診療科のタワーは手術日以外に稼働しない矛盾が生じた.そのため,機器更新時に各診療科のタワーを共用にし,4台2.24m2の減少が可能となった.電気メスなどは,LigaSureの同時使用は最大7台,VIOシリーズは5台,Generator GEN11は6台であった.これに対し,使用するデバイスを移動するのでなく,LigaSureが使用可能Valleylab FT10を全ての手術室に設置し,VIOとGEN11を共用にすることで手術室外の占有面積を8台6.24m2減らすことが可能となった.