第96回日本医療機器学会大会

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Panel Discussion

パネルディスカッション3 滅菌供給部門のスマートファクトリー化はありえるのか

座長:久保田 英雄(東京医科歯科大学),酒井 大志(越谷市立病院)

[パネルディスカッション3] ウォッシャーディスインフェクタープロセス判定システムの導入報告

濱中 郁恵 (大阪大学医学部附属病院 材料部)

本院では2019年1月にウォッシャーディスインフェクター(以下WD)の更新に伴い,プロセス判定システムICS-Satella®(以下システム)を導入した.
このシステムはWD装置本体の運転データを取り込み,システムに設定された重要プロセス変数の値の許容範囲内であるかを判定する機能を持つ.
現在の重要プロセス変数(洗浄時間,洗浄温度,洗剤投入量,循環ポンプ圧力,熱水消毒時間,熱水消毒温度)は導入時に実施したバリデーションの結果に基づき設定している.
更新前のWDでは日常モニタリングのリリース基準として,洗浄インジケータを使用していたものの,洗浄インジケータの設置漏れや目視確認による個人差が課題だったことから,洗浄プロセスを自己判定するシステムの構築を期待していた.
このシステムの導入によりバッチ毎に合否判定が文字で明確に表示されるため,作業者の経験値とは関係なく誰もが簡便に日常モニタリングをおこなうことが可能となった.
今後は,WD本体の部品の経年劣化を事前に警告表示させる機能を取り入れる予定である.