第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

ポスター演題

[PT2] viabilityを維持した『血中リンパ球』および『バフィーコート』の自動採取

鶴田 久生1, 相良 祐輔2 (1.㈱セルピック 医療機器研究室, 2.高知大学)

血中LymphocyteおよびBuffy coatは,遠心システムにより分離され,各種の検査に活用されている.同分離層は,直接幹細胞を投与される再生医療に活用されている幹細胞の存在する領域でもあり,其の場合は細胞のviabilityが非常に重要である.新しく開発した自動採取システムは,遠心分離操作の前後の処理操作を全自動でおこない,採取工程の細胞へのダメージの原因を除いてviabilityの維持された細胞採取を実現した.viabilityの長時間維持される細胞採取は,再生医療研究はもとより,検査業務においても,長時間の移送や死細胞の発生が問題になる検査項目は測定結果への影響が少なくなる.因みに,現行の採取法は,採取細胞を数時間放置すると30%強の細胞死がみられるが,自動化装置は,殆ど採取後の状態を維持している.自動採取システムは,8検体が同時に50分で処理され,検体8本と同数の分離チューブ・採取チューブ,および,採取チップをラックにセットする.他の操作は自動化によって省力化されており,数台の装置を一人で管理する事は容易に可能であり,多数の検体処理が要求され状況には,最適な採取システムとなり,大幅な合理化が達成される.自動化に大きく貢献した機能は,(1)分離細胞層を精密に確認するCCDシステム.(2)先端が閉じられて側壁にスリット状の吸引口を複数設けられた特殊な構造のCollect-Tipの開発.(3)それ等に追随する精密な吸引吐出ポイント制御.および,流速制御.によって実現している.なお,viabilityの長時間維持される自動採取装置は,(1)臨床検査業務の合理化.と,(2)臍帯血幹細胞を直接投与する低酸素性虚血性脳症の治療研究等.に資するとの念いで取り組んだ.