[シンポジウム1] 総合滅菌管理システムで実現したLI(Loan Instruments)の履歴管理
手術医療の実践ガイドラインでは,LIの定義と11項目の勧告が示されている.その中で履歴管理に関するものは「E.医療施設と貸出業者間で洗浄および滅菌記録書(履歴情報)を交換するシステムを構築する」が該当する.
福井大学病院では,GS1標準コードを用いた個体識別管理可能なトレーサビリティシステムを運用しており,LIについても借入から使用前後の再処理工程や返却まで一連の履歴をシステム管理することが可能となった.
履歴管理に向けて,「器械情報の整理」「LIの保管」「ランニングコストの削減」「業務量の削減」という4つの観点から運用方法を工夫したその詳細を報告する.
1.業者によって異なっていた伝票の書式を統一して,手術部と滅菌管理部間の連絡票にも用いることができるようにした.
2.手術部既滅菌室に「借入した未洗浄の器械」「使用前の洗浄済み器械」「使用後の返却待ち器械」が混在して保管されていた.これは器械出し看護師の事前学習のために,洗浄済みのLIを一旦手術部へ返却していたためであるが,滅菌管理部の一部をLIの保管場所として提供し,事前学習もこのスペースを活用するようにしたことで,「使用前の洗浄済み器械」の清浄度が保持できるようになった.
3.システムへの借入登録と返却登録を滅菌管理部がおこなうことで,洗浄や滅菌に適したバスケットへの入れ替えを判断することが可能になった.それまでは,業者から搬入されたままの状態でLIが洗浄室に届いており,器械と収納ケースを分離して洗浄することになり,洗浄費用は単純に倍量になっていた.このように洗浄~滅菌にかかるランニングコストと労力の削減が可能となった.
4.セット・単品毎にGTINコードを付けた借物プレートを紐づけた管理方法とした.貸出期間中は,借物プレートのバーコードをハンディ端末で読み取ることでトレーサビリティが確保できる.
システムにより実現したLIの履歴管理は業務改善にも繋がった.
福井大学病院では,GS1標準コードを用いた個体識別管理可能なトレーサビリティシステムを運用しており,LIについても借入から使用前後の再処理工程や返却まで一連の履歴をシステム管理することが可能となった.
履歴管理に向けて,「器械情報の整理」「LIの保管」「ランニングコストの削減」「業務量の削減」という4つの観点から運用方法を工夫したその詳細を報告する.
1.業者によって異なっていた伝票の書式を統一して,手術部と滅菌管理部間の連絡票にも用いることができるようにした.
2.手術部既滅菌室に「借入した未洗浄の器械」「使用前の洗浄済み器械」「使用後の返却待ち器械」が混在して保管されていた.これは器械出し看護師の事前学習のために,洗浄済みのLIを一旦手術部へ返却していたためであるが,滅菌管理部の一部をLIの保管場所として提供し,事前学習もこのスペースを活用するようにしたことで,「使用前の洗浄済み器械」の清浄度が保持できるようになった.
3.システムへの借入登録と返却登録を滅菌管理部がおこなうことで,洗浄や滅菌に適したバスケットへの入れ替えを判断することが可能になった.それまでは,業者から搬入されたままの状態でLIが洗浄室に届いており,器械と収納ケースを分離して洗浄することになり,洗浄費用は単純に倍量になっていた.このように洗浄~滅菌にかかるランニングコストと労力の削減が可能となった.
4.セット・単品毎にGTINコードを付けた借物プレートを紐づけた管理方法とした.貸出期間中は,借物プレートのバーコードをハンディ端末で読み取ることでトレーサビリティが確保できる.
システムにより実現したLIの履歴管理は業務改善にも繋がった.