第96回日本医療機器学会大会

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Symposium

シンポジウム3 新型コロナウイルスと闘う医療機器たち

座長:加藤 伸彦(北海道情報大学),釈永 清志(富山大学)

[シンポジウム3] COVID-19における血液浄化装置関連の運用について

倉島 直樹 (東京医科歯科大学病院 MEセンター)

本学の第1波対応は,予定手術中止,3次救急受入停止など通常診療の制限に伴い,医療機器の不足等はなかった.しかし,第2波,第3波では,通常診療体制8割運用+COVID診療下で,重症病床は通常26床から通常22床+COVID8床の30床へと増床した.結果的に第3波では通常+COVID重症が増加し,同時に治療が継続したケースがECMO6例,CRRT9例と管理機器の上限に到達する状況であった.COVID-19対応に伴い,CRRT運用が大きく異なった点は,①厚労省より,医療機器は廃棄せず,保管するよう周知があったため,2台を廃棄せず,使用を継続した.②通常は回路交換時に装置毎交換し,稼働時間のバラツキを考慮しているが,COVID用では,回路はグリーンゾーンでプライミングし仕上げ,回路のみを陽性病棟内に持ち込み,同一の装置で継続使用した.同一機器を長期間使用するため,医療機器の今後の運用に検討が必要である.また,COVID-19特有の凝固障害により,回路凝固などに対する対策も必要であり,装置の運用だけでなく,患者の病態に合わせた管理が必要であった.