第96回日本医療機器学会大会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム4 スマートホスピタルのプラットフォーム

座長:長瀬 清(岐阜大学),藤原 道隆(名古屋大学)

[シンポジウム4] 倉敷中央病院が取り組んでいる予防医療について

菊辻 徹 (公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院付属予防医療プラザ)

【はじめに】
避けられる病気を早期に発見し生活習慣に留意することで,自分の健康をデザインできる時代である.この国の医療制度を継続するためにも,病気を未然に防ぐ仕組みづくりが重要である.
【要旨】
MRIやCTを活用して,動脈硬化が原因で起こる疾患を早期に把握し,予防・生活指導・治療を的確におこなうことで重症化を防ぐことができる.骨粗鬆など骨格・運動器の脆弱性に対する介入も大切である.予防医療プラザと地域医療機関との間にネットワークを構築することで,疾病リスクに焦点をあてた健康管理が可能となる.蓄積された健診データを基に開発したAI(人工知能)で将来的な健康リスクを解析し,各人の課題を明らかにして改善を促す取り組みをおこなっている.
【まとめ】
これからは「進歩した医療や科学技術を,病気の治療のためではなく積極的に予防に活用することで,健康を自分で作り・守ることを可能にする医療とその仕組み作り」がますます重要となる.