2:00 PM - 2:10 PM
[1] 心拍変動周波数解析におけるリサンプリング周波数の検証
【背景】
心拍変動(HRV)の周波数解析にて,自律神経活動量を測定することができる.その解析過程において,リサンプリング周波数を設定しなければならないが,先行研究では様々な値が用いられている.心拍記録中の心拍数の推移は様々であるが,固定値のリサンプリング周波数で解析をおこなうことに問題がないかを検討することを目的に,同一心拍データにおいて,リサンプリング周波数を変化させた際の解析結果について比較検証をおこなった.
【方法】
Python を用いて構築したHRV 周波数解析システムを用いて,高速フーリエ変換にて周波数解析をおこなった.使用した心拍データは,血液透析療法施行中に連続的に記録した10 症例であり,各症例の平均心拍数(MeanHR)が最小(Min)と最大(Max)の2区間とした.解析区間は5分間とし,リサンプリング周波数は1Hz,2Hz,4Hz,各解析区間のMeanHRを60 で除した周波数(MeanHR/60Hz)の4点とした.算出された解析結果について,統計
的検定をおこなった.
【結果】
低周波数(LF)成分のpower 値および高周波数(HF)成分のpower 値は,1Hz v.s.MeanHR/60Hz 以外のリサンプリング周波数
間で有意差(p < 0.01)が認められた.また,LF power 値をHF power 値で除した値(LF/HF 比)は,1Hz v.s. 4Hz,2Hz v.s. 4Hz,
4Hz v.s. MeanHR/60Hz のリサンプリング周波数間で有意差(p < 0.05)が認められた.
【結論】
LF power値,HF power値,LF/HF比のいずれにおいても,1Hz v.s. MeanHR/60Hz間のみ有意差が認められなかった.今回の検証
で用いたMeanHR(平均85.5[標準偏差14.6])においては,リサンプリング周波数は1HzとMeanHR/60Hzのいずれを用いても同等の結果となった.しかし,標本化定理に則り,元データの2倍以上であるリサンプリング周波数(約2Hz以上)を用いると,解析結果に有意差が認められた.この解析結果のpower値の差が臨床的意義を有しているかは,今後の検証課題である.
心拍変動(HRV)の周波数解析にて,自律神経活動量を測定することができる.その解析過程において,リサンプリング周波数を設定しなければならないが,先行研究では様々な値が用いられている.心拍記録中の心拍数の推移は様々であるが,固定値のリサンプリング周波数で解析をおこなうことに問題がないかを検討することを目的に,同一心拍データにおいて,リサンプリング周波数を変化させた際の解析結果について比較検証をおこなった.
【方法】
Python を用いて構築したHRV 周波数解析システムを用いて,高速フーリエ変換にて周波数解析をおこなった.使用した心拍データは,血液透析療法施行中に連続的に記録した10 症例であり,各症例の平均心拍数(MeanHR)が最小(Min)と最大(Max)の2区間とした.解析区間は5分間とし,リサンプリング周波数は1Hz,2Hz,4Hz,各解析区間のMeanHRを60 で除した周波数(MeanHR/60Hz)の4点とした.算出された解析結果について,統計
的検定をおこなった.
【結果】
低周波数(LF)成分のpower 値および高周波数(HF)成分のpower 値は,1Hz v.s.MeanHR/60Hz 以外のリサンプリング周波数
間で有意差(p < 0.01)が認められた.また,LF power 値をHF power 値で除した値(LF/HF 比)は,1Hz v.s. 4Hz,2Hz v.s. 4Hz,
4Hz v.s. MeanHR/60Hz のリサンプリング周波数間で有意差(p < 0.05)が認められた.
【結論】
LF power値,HF power値,LF/HF比のいずれにおいても,1Hz v.s. MeanHR/60Hz間のみ有意差が認められなかった.今回の検証
で用いたMeanHR(平均85.5[標準偏差14.6])においては,リサンプリング周波数は1HzとMeanHR/60Hzのいずれを用いても同等の結果となった.しかし,標本化定理に則り,元データの2倍以上であるリサンプリング周波数(約2Hz以上)を用いると,解析結果に有意差が認められた.この解析結果のpower値の差が臨床的意義を有しているかは,今後の検証課題である.