10:30 〜 10:40
[15] 感染低減を目的とした手洗い法のリアルタイム評価
感染防止の基本は手洗いである.手洗いの手
順はWHOのガイドライン(標準法)があるが,
その効果に関する量的評価はされていない.近
年アデノシン三リン酸(ATP)による清浄度
の測定が実用化されたが,結果の良否判定は可
能だが手洗いのどこに問題があったかについて
は把握できない.本研究は手洗いの運動を把握
する目的で手首に装着したモーションセンサか
ら得られる加速度を把握し,その結果と手洗い
の結果を示すATP値を比較測定し,どのよう
な軌道と加速度で手を動かせば効果的な手洗い
ができるかの判定を試みた.はじめに標準法の
手順を参考に本学の学生48名に手洗いをおこ
なわせATP値による評価をおこなった.事後
ATP値の平均は3578[RLU],標準偏差は3246
[RLU]であった.合格となるATP値2000[RLU]
以下の学生は13名であり,指導法の改善が必要
と考えた.この結果を踏まえ,新たに学生7名
と臨床工学技士1名に対し,手首にモーション
センサを装着し標準法をおこない,加速度を測
定し前後でATP値を測定した.洗浄後のATP
値を事前のATP値で除して除去率を求め,事
後のATP値が2000[RLU]以下を合格者とした.
合格者は2名で,事前のATP値は平均32263
[RLU]と60173[RLU]であり,除去率は96.0%
と97.2%であった.全体の事前ATP値の分布は
平均79683[RLU],標準偏差31276[RLU]であっ
た.除去率は平均95.4%,標準偏差は2.0%で
あった.除去率が大きくても事前のATP値が
高いと合格しないこと,加速度の大小と除去率
は大きく関係しないことから,日常的にATP
が下がるように指導する必要があると考えられ
る.また,手洗いの良否判定には事前のATP
値を一定の範囲とし,擦過力の評価が必要であ
ることも考えられる.今後は,測定前に超音波
洗浄をおこなうなどしてATP値をゼロに近づ
け,ATP濃度が一定の溶液に手を浸漬し事前
のATP値を一定の範囲に保ち,擦過力を筋電
図の大きさなどを用いて評価し,事後のATP
と比較し検討していきたい.
順はWHOのガイドライン(標準法)があるが,
その効果に関する量的評価はされていない.近
年アデノシン三リン酸(ATP)による清浄度
の測定が実用化されたが,結果の良否判定は可
能だが手洗いのどこに問題があったかについて
は把握できない.本研究は手洗いの運動を把握
する目的で手首に装着したモーションセンサか
ら得られる加速度を把握し,その結果と手洗い
の結果を示すATP値を比較測定し,どのよう
な軌道と加速度で手を動かせば効果的な手洗い
ができるかの判定を試みた.はじめに標準法の
手順を参考に本学の学生48名に手洗いをおこ
なわせATP値による評価をおこなった.事後
ATP値の平均は3578[RLU],標準偏差は3246
[RLU]であった.合格となるATP値2000[RLU]
以下の学生は13名であり,指導法の改善が必要
と考えた.この結果を踏まえ,新たに学生7名
と臨床工学技士1名に対し,手首にモーション
センサを装着し標準法をおこない,加速度を測
定し前後でATP値を測定した.洗浄後のATP
値を事前のATP値で除して除去率を求め,事
後のATP値が2000[RLU]以下を合格者とした.
合格者は2名で,事前のATP値は平均32263
[RLU]と60173[RLU]であり,除去率は96.0%
と97.2%であった.全体の事前ATP値の分布は
平均79683[RLU],標準偏差31276[RLU]であっ
た.除去率は平均95.4%,標準偏差は2.0%で
あった.除去率が大きくても事前のATP値が
高いと合格しないこと,加速度の大小と除去率
は大きく関係しないことから,日常的にATP
が下がるように指導する必要があると考えられ
る.また,手洗いの良否判定には事前のATP
値を一定の範囲とし,擦過力の評価が必要であ
ることも考えられる.今後は,測定前に超音波
洗浄をおこなうなどしてATP値をゼロに近づ
け,ATP濃度が一定の溶液に手を浸漬し事前
のATP値を一定の範囲に保ち,擦過力を筋電
図の大きさなどを用いて評価し,事後のATP
と比較し検討していきたい.