第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

COVID-19/感染防止

COVID-19/感染防止

2022年6月3日(金) 10:00 〜 10:50 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:一ノ渡 学(岩手医科大学)

10:40 〜 10:50

[16] 耳鼻科外来セット器材の個包装に向けた取り組み

三浦 順子, 金澤 悦子, 大野 理恵, 瀬戸 初江, 櫻田 享 (東北医科薬科大学病院)

【はじめに】
耳鼻科外来には多数の治療用ユニットがあ
るため,材料部では1日2回外来へ器材の回収
と払出しをおこなっている.ユニットにセット
化された耳鼻科外来セット器材(以下耳鼻科器
材)は使用の有無に関わらず,感染管理の観点
より全て回収し洗浄滅菌をおこなっている.し
かし,未使用として回収する器材が多い上に器
材の劣化もみられたため,セット内容の見直し
が必要であると考えた.また,ユニットに置か
れた耳鼻科器材は蓋のないバスケットに並べら
れており,診察時の飛沫やエアロゾルによって
耳鼻科器材の清潔度が保たれていない状況に
あったため,個包装に向けた取り組みをおこ
なった.
【目的】
耳鼻科器材の適正数を把握し,効率的に運用
すること,個包装により清潔な器材を患者へ提
供することを目的とした.
【方法】
2020年9月~ 2021年7月までの耳鼻科外来
から回収した器材の使用数を調査し,結果を基
に適正数を決定した.適正数の決定については,
耳鼻科教授や外来看護師に対して,調査結果と
個包装についての説明をおこない,協力を得た.
【結果】
耳鼻科器材の適正数は各器材の最大使用率
を基に決定した.しかし,使用率が低いにもか
かわらず日によって高い使用率を示す器材につ
いては現状の数のままとした.20種中2種のみ
定数減となったが,全体的に器材数が減少した.
さらに,個包装により使用した器材のみの回収
となり回収器材数が減少し,今まで2回の回収
をおこなっていたが1回で済むことになり,材
料部業務の省力化が図られた.また,使用しな
い器材を繰り返し洗浄滅菌しなくなったことで
器材の劣化が防止できる.
【まとめ】
個包装により清潔な器材を患者へ提供する
ことができ,開始2ヶ月後に耳鼻科教授をはじ
め多くの医師の意見として「やっぱり清潔でと
てもいいと思う」との声が聞かれ,個包装によ
る取り組みが評価された.今後も感染面や適正
化についての取り組みを継続的におこなう必要
がある.